この記事の監修者
皮膚科専門医 武田 りわ
2022.12.06
【お医者さんのコラム】くすみ、シミ、たるみ、ニキビ…肌トラブル改善に必要な栄養素とは?
肌は健康状態の鏡。肌の状態が悪いのに、内臓は元気!ということはありません。
くすみ、シミ、たるみ、ニキビといった大人の肌トラブルには、栄養不足が関係している場合が多くあります。気になるお悩みごとに対して足りない栄養素を補い、理想のお肌を目指しましょう!
肌トラブルその1:くすみ
くすみの原因と対策
「透明感やツヤが感じられない」「なんだか血色が悪くて疲れて見える…」
顔色が暗く見えてしまうと、気持ちもイマイチ。
ですが、落ち込まなくても大丈夫◎原因をおさえてしっかり対策していきましょう。
くすみ感の原因として考えられるのは、油分の酸化・摩擦・加齢によるターンオーバーの乱れ・血行不良などさまざま。原因は違っていても共通して大切なのは、メラニンの生成をおさえたり、肌の酸化に効果的な栄養素をとることです。レモンやアセロラ、パセリなどがおすすめです。また貧血による血行不良が原因の場合は、貧血改善もあわせて取り組むのがおすすめです。
肌トラブルその2:シミ
シミの原因と対策
シミの種類には、摩擦や女性ホルモンの乱れなどによる「肝斑(かんぱん)」、紫外線による「日光性黒子」、ニキビや傷など炎症が起きた部分に色素沈着する「炎症後色素沈着」などがあります。
対策として積極的にとりたいのは、シミの主な原因となるメラニンの抑制に働く栄養素。トマトに含まれるリコピンをはじめ、レモンやゆずなどに多く含まれています。また鉄分不足もシミの原因となってしまうので、鉄分もしっかりとる必要があります。
肌トラブルその3:たるみ・シワ
たるみ・シワの原因と対策
ピンっと張った肌には潤いが感じられます。そんな肌のハリを支えているのは、真皮層にあるコラーゲンやエラスチンなどです。しかし加齢や不規則な生活習慣がつみかさなると、コラーゲンやエラスチンは次第に劣化・減少。やがて現れるのが、たるみやシワです。
たるみやシワの対策には、体内でコラーゲンが合成されるのを促すこと。コラーゲンの材料が含まれる食材には、たまごやピーマン、レバー、ほうれん草などがあります。また糖化や酸化も肌には大敵。栄養バランスや食べ方にもあわせて注意するようにしましょう。
肌トラブルその4:肌荒れ
肌荒れの原因と対策
肌荒れの原因に多いのが、「洗いすぎ」や「擦りすぎ」。もしそれに当てはまらない場合は、栄養不足ではないか普段の食生活を振り返ってみましょう。栄養のバランスがくずれていると、肌荒れを招く可能性があります。
特に乾燥気味で肌がカサカサするという方は、「脂質」を意識するようにしましょう。そもそも肌のうるおいのもとは、細胞と細胞の間を埋める「細胞間脂質」と「皮脂」です。これらは水分ではなく油なので、水分である化粧水をたっぷりつけるだけではNG。バターやオリーブ油といった良質の油を体の中から補うことも大切です。
肌トラブルその5:吹き出物(ニキビ)
吹き出物(ニキビ)の原因と対策
「大人ニキビ」といわれる吹き出物は、乾燥や肌荒れによって乱れた角質が毛穴をふさいでしまうことで現れます。吹き出物ができやすいという方は、栄養不足かもしれません。栄養不足だと、ターンオーバー(角質の入れ替わり)が正常に機能していないことがほとんどです。様々な栄養素をまんべんなく取り入れ、食生活を今一度見直してみましょう。
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この記事の監修者
皮膚科専門医
武田 りわ
タケダビューティークリニック(皮膚科・美容皮膚科)院長。皮膚科専門医。
オーソモレキュラー・ニュートリションドクター(OND)認定医。
「美肌は人を幸せにする」を理念に、西洋医学を基礎とする美容医療に栄養医学を取り入れ、体の外側と内側からのケアを提案している。
肌の老化を治すだけではなく、老けにくい健康な肌作りが得意。日本皮膚科学会・日本臨床皮膚科医会・日本美容皮膚科学会・日本抗加齢医学会に所属。
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