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ドクター監修

この記事の監修者

薬剤師 坂井 幸子

2023.02.28

「総コレステロールが高い」と言われたら?基準値や体への影響

コレステロールは脂質のひとつで、私たち人間の体を作る大切な役割を担っています。

「コレステロール」と聞くと、健康に対して何だか不安を抱く方もいるかもしれませんが、 ある程度一定の量は必要な栄養なので、極端に排除していいものでもありません。

ですが、体に必要な栄養とはいえ、コレステロールや中性脂肪が高いと健康に影響を及ぼしてしまいます。会社の健康診断などで悪玉コレステロールや総コレステロール値が高いと指摘され、ドキッとした経験がある方もいるでしょう。

今は元気だから、何にも症状がないからと放置せずに、今の自分の状態を知り改善できるところはすぐに対策を始めるのがおすすめです。

目次

総コレステロール値が高いと、体にはどんな影響があるの?

人が生きるうえで欠かせない働きをする「総コレステロール」。細胞膜を構成するなど、なくてはならない役割を持っていますが、多すぎても少なすぎても健康に悪影響を与えてしまいます。

ただ、大切なのは総コレステロール値の高さや低さだけで、一喜一憂しないということ。
総コレステロール値は、

●「LDLコレステロール(悪玉コレステロール)」
●「HDLコレステロール(善玉コレステロール)」
●「中性脂肪」

上記3種類から算出された値ということを押さえておくべきです。

総コレステロール値に関わる、「LDLコレステロール」「HDLコレステロール」「中性脂肪」の各値を確認してみましょう。

こちらでは、総コレステロール値の概要について解説します。悪玉コレステロールや中性脂肪の高さから将来の健康が気になる方は、生活習慣や食生活を見直すのがおすすめです。

そもそも総コレステロール値とは?基準値はどのくらい?

総コレステロール値とは、血液中にある全てのコレステロールを測定した値です。

コレステロールは、細胞膜や血管壁を作ったり、副腎皮質ホルモンや性ホルモンを合成する材料になったり、食べ物の消化や吸収に必須な胆汁酸の材料になったりと、様々な働きを担っているのです。

総コレステロール値は以下のような目安が決められており、高くても低くても体に悪い影響があるといわれています。

要注意139以下
基準範囲140~199
要注意200~259
異常260以上

注意したいのは、総コレステロール値だけで健康の良し悪しを判断するのではなく、構成している要素の値を確認すること。

先ほどもお話したように、総コレステロール値を算出する要素は以下の3つです。

● LDLコレステロール(悪玉コレステロール)
● HDLコレステロール(善玉コレステロール)
● 中性脂肪

LDLコレステロール(悪玉コレステロール)とは、肝臓に蓄積されたコレステロールを体のいたるところに運ぶ役割があります。

LDLコレステロールの目安は以下の通りです。

要注意59以下
基準範囲60~119
要注意120~179
異常180以上

一方、HDLコレステロール(善玉コレステロール)とは、体内の余っているコレステロールを捕まえ、肝臓に運ぶ役割があります。

以下に、HDLコレステロールの目安をまとめてみました。

異常34以下
要注意35~39
基準範囲40以上

総コレステロール値を構成する3つめの要素「中性脂肪」は、ブドウ糖が不足したときに補えるようにエネルギーを蓄える働きがあります。

ただ、増えすぎると肥満など体に悪影響を与えるので、適切な基準値を維持することが大切でしょう。

中性脂肪の目安は、以下の通りです。

要注意29以下
基準範囲30~149
要注意150~499
異常500以上

健康診断などで総コレステロール値の結果が出たら、「LDLコレステロール」「HDLコレステロール」「中性脂肪」それぞれの値はどうなっているのかを確認してみてください。

健康リスクを招く!特に気を付けたい「LDLコレステロール」「中性脂肪」

「総コレステロールが高い」と言われたら、特に気を付けたいのが「LDLコレステロール」と「中性脂肪」です。これら2種類の特徴について詳しくお話します。

「LDLコレステロール(悪玉コレステロール)」は名前の通り体に悪い役割を持っているのではないかと勘違いされがちですが、これは誤りです。

コレステロールは、回収を担当する「HDLコレステロール(善玉コレステロール)」と運搬を担当する「LDLコレステロール(悪玉コレステロール)」の2種類に分けられます。これらは役割が異なるだけで、LDLコレステロール自体が悪いものというわけではありません。

しかし、LDLコレステロールが増えてしまうと、体が求める以上のコレステロールを運搬するため、体に悪影響を及ぼしてしまうのです。

一方、「中性脂肪」は体内のエネルギー源としての役割や、寒さや暑さから体を守ったり、衝撃を吸収したりなどの役割があります。さらに、臓器を正しい位置に設置することも行なっているのです。

このように、なくてはならない働きをする中性脂肪ですが、増えすぎると肥満などの体に良くないことが起こります。

中性脂肪値が高くなるということは、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回り、たくさんの脂肪ができていることにつながるからです。

さらに、中性脂肪が増えるとLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増え、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が減少することに。このため、血管を傷つけたり余分な脂質が血管壁に入り込んだりなどが起こり、健康リスクを招いてしまいます。

健康的な生活を送るためにも、LDLコレステロールなら「60~119」、中性脂肪なら「30~149」の基準値を目指していきましょう。

LDLコレステロール値や中性脂肪値を下げるためにできることとは

総コレステロール値の高さを指摘された場合は、LDLコレステロール値や中性脂肪値を下げることが大切です。今は健康面でのリスクを感じなくても、放っておくと思いもよらない結果を引き起こす恐れがあります。

LDLコレステロール値と中性脂肪値を下げるために行うことは、主に「生活習慣」と「食生活」の見直しです。

毎日続けている習慣を変えるのは簡単ではないかもしれませんが、今からライフスタイルを変えていけば、将来「あのとき、生活を見直して良かった」と思うはず。

どちらもすぐに始められることなので、自分の体のためにもぜひチャレンジしてみましょう。

【見直したいポイント1】生活習慣

LDLコレステロール値(悪玉コレステロール値)と中性脂肪値を改善するために、生活習慣を変えてみてください。特に意識してほしいのが、運動を行うことです。

運動をすると血流が良くなるため、体内の中性脂肪が減少してHDLコレステロール値(善玉コレステロール値)が上がります。LDLコレステロールとHDLコレステロールは相互に作用するので、結果的にLDLコレステロール値も下がるのです。

具体的な運動種目としては、ウォーキングやサイクリング、水泳などの有酸素運動がおすすめ。「ちょっときついかな」と感じる程度の負荷(心拍数110~120/分程度)で、運動に取り組んでみましょう。

1回の運動だけでは大きな効果を見込めないので、毎日30分以上行うのが理想です。2005年の研究結果によると、HDLコレステロールを増加させるには、1週間に合計120分間の運動か、1週間に合計900kcalのエネルギーを消費する身体活動をする必要があります。

急に運動を始めるのが難しい方は、掃除や子どもとの遊びなど、普段の生活から運動量を少しずつ増やしていくことも良いですね。数ヶ月以上のスパンで運動をすることで、LDLコレステロール値と中性脂肪値にも効果が表れるでしょう。

運動以外の生活習慣としては、禁煙がおすすめです。タバコにはHDLコレステロールを減少させ、中性脂肪を増加させることが判明しています。喫煙者の方は、辛いかもしれませんがこの機会に禁煙をしてみてください。

【見直したいポイント2】食生活

LDLコレステロール値や中性脂肪値を基準値まで下げるには、食生活も見直してみましょう。

まず、LDLコレステロール値を改善したい場合は、脂身の多いお肉などに含まれる飽和脂肪酸を控えてみてください。飽和脂肪酸はLDLコレステロールを増やすので、できるだけ減らすことが大切です。

摂取するべき食べ物としては、野菜などの食物繊維やサバなどに含まれる多価不飽和脂肪酸でしょう。多価不飽和脂肪酸は、LDLコレステロールを減らす効果があるので、積極的に食べてみてください。

一方、中性脂肪値を改善したい場合は、糖質のとりすぎに注意しましょう。糖質は摂取されるとブドウ糖になって血液中に送られますが、摂取しすぎてしまうと中性脂肪となり体内に蓄積されます。甘いお菓子を日常的に食べている方は、注意してください。

また、必要以上に食べていないか、アルコールをたくさん飲んでいないかもチェックポイントです。

食べる量は「標準体重×25~35キロカロリー/日」がおすすめ。標準体重は「身長×身長×22」で計算できるので、ぜひ目安にしてみてください。

アルコールを飲む方は、以下のリストを基準に量を控えてみましょう。

● ビール:中瓶1本(500ml)
● 日本酒1合:(180ml)
● 焼酎0.5合:(90ml)
● ウイスキーダブル1杯:(60ml)
● ワイン2杯:(240ml)

「ストレス解消したい」「気分を上げたい」とついつい暴飲暴食してしまう方もいるかもしれませんが、中性脂肪値に悪影響を与えてしまうので食生活を見直してみてください。

まとめ

今回は、「総コレステロールが高い」と言われたときにチェックする項目と、改善方法をお伝えしました。

総コレステロール値の値を指摘されたら、まずは以下3つの測定値を確認してみましょう。

● LDLコレステロール(悪玉コレステロール)
● HDLコレステロール(善玉コレステロール)
● 中性脂肪

基準値に到達していない場合は、生活習慣や食生活を見直すのがおすすめです。指摘された後も同じ生活を送っていると、健康リスクを引き起こす可能性があるので注意しましょう。

総コレステロール値の高さが判明した今こそ、ライフスタイルを変える良いチャンスです。この記事を参考に、健康度をアップさせてみてください。

この記事の監修者

薬剤師

坂井 幸子

薬剤師。病気の「治療」と「予防」両方大切だと考え、健康と食物の関係を日々研究。
生活の中で体に必要な栄養を補い、正しいコンディションで過ごせるように栄養学の観点から健康と美容をサポートすることを得意としている。

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