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ドクター監修

この記事の監修者

薬剤師 坂井 幸子

2023.05.12

中性脂肪を下げるには?効果的な運動や食事についてご紹介

● 健康診断で中性脂肪の数値の高さを指摘された
● 身近な人が中性脂肪が高い影響で体調を崩した

このようなことがあると、今特に症状がなくても「これから自分は大丈夫かな?」と思う方が多いでしょう。
また食事や生活習慣を見直してみようとする方もいるかもしれません。

では具体的にどんなことをすれば、中性脂肪対策ができるのでしょうか。
ひとくちに食事改善といっても、どのような栄養をとればいいのか・何を控えたらいいのか、情報がいろいろあって迷ってしまいますよね。
この記事では、食事面・生活習慣面からの中性脂肪を下げるための改善策とあわせて、そもそもの中性脂肪の役割や増えてしまう原因についてもご紹介しています。

ぜひ参考にしてみてくださいね。

目次

中性脂肪とは?体にとって不要なもの?

そもそも中性脂肪とは一体どのようなものなのでしょうか。

「脂肪」とつく名前だからこそ、なんとなくネガティブなイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、実は体にとって重要な役割を担っているのです。

とはいっても、基準値を超えてしまうと健康面でリスクがあるのも事実。中性脂肪は体にとって必要なものですが、適度な量であることがベストなのですね。

では、具体的に中性脂肪の役割や基準値、さらに基準値を超えるとどんなことが起こるのかを解説していきましょう。

中性脂肪の本来の役割

中性脂肪の最も重要な働きは、エネルギーの貯蔵庫になっているということです。摂取した食べ物から体にエネルギーを溜めておくことで、絶食や運動時など空腹時のときに使用されます。

糖質やたんぱく質と比べても、中性脂肪はエネルギーの貯蔵効率が優れていることに。中性脂肪は容量が小さく軽いですが、単位量あたりのエネルギー生産量が高いので、エネルギーの貯蔵庫としてぴったりなのです。

さらに、中性脂肪は寒さや暑さなどの温度から体を守り、体温を一定に保つ役割も担っています。加えて、外部からの衝撃から体を保護したり、臓器を定位置に設置したりといった働きもあるのです。

このように、中性脂肪には私たちの体にとってなくてはならない役割があるため、基準範囲内の量をもっておく必要があります。脂肪だからと極力少なくするようにしてしまうと、本来の働きを十分に発揮できないので注意しましょう。

中性脂肪の基準値

中性脂肪の基準値は以下の通りです。

要注意29以下
基準範囲30~149
要注意150~499
異常500以上

通常、中性脂肪は空腹時に検査されます。ただ、食後12時間は高くなることもあり、前日の夕食を食べる時間が遅かったり、食べ過ぎたり飲みすぎたりすると、数値が上昇すると考えられるのです。

ただ、空腹時に基準範囲でも食後だけ中性脂肪値が高いという方もいるので、気になる方は食後の検査も受けておくと安心でしょう。

空腹後に中性脂肪を検査するときは、以下のような流れで行います。

1.12時間以上絶食した後に採血をする
2.高脂肪食をとる
3.1時間後から8時間後までに採血を繰り返す

検査中はベッドで安静にしている必要があるので、時間に余裕がある日に臨むと良いですね。

基準値を超えた中性脂肪が与える影響

基準値を超えるほど中性脂肪が増加している場合、肥満につながります。

中性脂肪は、エネルギーを貯蔵する大切な働きがあるとお話しました。しかし、中性脂肪値が基準範囲以上ということは、摂取エネルギーが消費エネルギーを超えてしまい、肝臓で余ったエネルギーを脂肪に変換していると考えられるのです。

肥満は様々な病気の原因になったり、体に負荷がかかって膝の痛みや腰痛を引き起こしたりなど、悪影響を及ぼします。見た目も変化してしまうことから、現在中性脂肪値が増えている方は下げていきたいですよね。

また、中性脂肪が増えすぎると、LDLコレステロールが増え、HDLコレステロールが減りやすくなるともいわれています。

この場合、余分なコレステロールが回収されなかったり、内側にコレステロールが入り込んで動脈の壁が厚くなったりなど、体に良くないことが起こると考えられるのです。

中性脂肪と同様、LDLコレステロールとHDLコレステロールはどちらも体に必要なものですが、基準範囲へ戻せるように対策するのがおすすめでしょう。

あなたはいくつ当てはまる?中性脂肪が増える原因はコレ!

中性脂肪を下げるには、まず増えてしまう原因を知っておくことが大切です。せっかく改善するための対策を行なっても、無意識に増加させる行動を続けてしまえば、なかなか基準値まで下げることは難しいでしょう。

中性脂肪が増える原因は、以下の3種類です。

1.脂質や糖質のとりすぎ
2.アルコールのとりすぎ
3.運動不足

それぞれ、忙しい毎日の中でついついやってしまいがちなことばかりですよね。習慣化してしまったことを変えるのは難しいかもしれませんが、未来の自分のためを思って、原因を取り除いてみましょう。

では、中性脂肪が増える3つの原因について、詳しく解説していきます。

脂質や糖質のとりすぎ

疲れていると思わず食べ過ぎてしまう脂質や糖質ですが、必要以上にとってしまうと中性脂肪が増える原因になります。

脂質は人間の体に必要といわれる三大栄養素のうちの1つです。しかし、肝臓で作ることができたり食事からとったりで、足りなくなることはほとんどないといわれています。

むしろ、日本人の食生活が欧米化していることからも、知らず知らずのうちに脂質をとっていることが珍しくありません。

また、意外に思うかもしれませんが、糖質のとりすぎも中性脂肪を上げる要因です。

糖質を摂取すると、ブドウ糖へと変換された後、小腸で吸収されて血液中に送られます。ただ、たくさんとりすぎてしまった場合、余った血液中の糖が中性脂肪になり、肝臓や脂肪細胞に蓄積されてしまうのです。

健康診断で中性脂肪が高いといわれた方は、まず脂質や糖質をとりすぎていないかを確認してみましょう。

アルコールのとりすぎ

アルコールをとりすぎることで、中性脂肪の合成が促進され、血液中の中性脂肪が増えるといわれています。アルコールを飲むと、糖質や脂肪といったエネルギー源を効率的に利用できなくなり、体脂肪として貯蔵されてしまうのです。

加えて、アルコールを飲むときに食べるおつまみは、から揚げやポテトなど、脂質・糖質をたくさん含んでいるものが多いですよね。アルコール以外にも、一緒に頼む相性抜群のおつまみ自体が中性脂肪を上げる要因になりがちなので、過度の飲酒は注意が必要です。

さらに、たくさん飲酒することでHDLコレステロールが減少し、間接的にLDLコレステロールも増加してしまうということも。

アルコールは1g7kcalとされているので、ビール中ジョッキ2杯とレモンサワー中ジョッキ1杯を飲むと、約600kcalを摂取することになります。これは、小盛りご飯の約4杯分にあたるカロリー量です。

また、アルコールをたくさん飲んだ後は、〆のラーメンやお茶漬けなどを食べたくなる方も多いのではないでしょうか。アルコールとおつまみだけでも十分なカロリーをとっているのに、さらに〆の炭水化物を食べてしまえば中性脂肪はどうしても上がってしまいます。

運動不足

普段から体を動かす習慣がない場合も、中性脂肪は増加します。これは、運動不足によってエネルギーが消化されず摂取エネルギーが増えてしまうからです。

運動には、血中の中性脂肪を減少させたり、内臓脂肪を減らして肥満の改善や予防が期待できたりなどの効果があります。だからこそ、運動をしていないことで必要以上のカロリーが蓄積されてしまい、中性脂肪の増加へつながることに。

先ほどもお話したように、現在は欧米化の食生活が浸透していることで、知らないうちに大幅なカロリーを摂取しがちです。加えて、車やエレベーターなど、暮らしが豊かになったことでどんどん体を動かす機会が減ってきているのです。

「いつも会社への通勤は車と電車を使っていて、歩く機会はほぼない」「休日は疲れているから、家でゆっくりしている」という方は、摂取エネルギーを上手く消費できていないかもしれません。

体脂肪の多い方は、さらに肝臓が活発的に中性脂肪をつくる傾向にあります。運動をして余分な体脂肪を減らし、健やかな体を獲得しましょう。

中性脂肪を下げるために食事や生活習慣を変えよう

中性脂肪を下げるためには、主に食事と生活習慣を変えるのが効果的です。中性脂肪を増やす原因を排除して、減少につながる生活を送ることで、改善されるでしょう。

ただ、こちらで紹介する食事や生活習慣にシフトしたとしても、1日や2日ですぐに中性脂肪が基準範囲まで下がるとは考えづらいです。

大切なのは、中性脂肪を下げるための食事や生活習慣を継続すること。最初はいつもと違う生活を送ることに抵抗感を抱くかもしれませんが、慣れてしまえばストレスなく過ごすことができるはずです。

将来の自分のためにも、今が良い機会と考えて食事や生活習慣を見直してみてください。

食事編:脂質・糖質・アルコールをとりすぎない

中性脂肪を増加させる原因である脂質・糖質・アルコールのとりすぎをやめてみましょう。肝臓でも合成される中性脂肪ですが、ほとんどは摂取する食品が影響しているといわれているので、食事を意識することが大切です。

以下には、脂質や糖質が多く含まれている食品をまとめてみました。

【脂質が多く含まれている食品】
● 牛のリブロース
● 豚の肩ロース
● ラード
● バター
● マーガリン

【糖質が多く含まれている食品】
● ご飯
● パン
● いも類
● 果物
● 砂糖をたくさん使ったお菓子や飲料

脂質や糖質が多く含まれている食品は、注意しなければ普段から無意識に食べてしまいそうなものばかりですね。

糖質の少ない、または多い食材については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。

自炊はもちろん!コンビニや外食時にも◎糖質の少ない・多い食材一覧

一方、アルコールの適量は以下の通りです。

● 日本酒:1合
● ビール:中ビン1本
● 焼酎:1/2合
● ウイスキー:ダブル1杯
● ワイン:グラス2杯
● 梅酒:グラス半分
● ジンフィズ:1杯

普段からお酒を飲む習慣がある方は、「ちょっと少ないな…」と思うかもしれませんが、未来の自分のために飲料を控えるのがおすすめですよ。

食事編:飽和脂肪酸を控え目に・不飽和脂肪酸を積極的にとる

中性脂肪を下げるには、飽和脂肪酸を控え目にし、不飽和脂肪酸を積極的にとってみましょう。

飽和脂肪酸とは、脂肪を構成するものの1つであり、肉やバターなど動物性の脂に多く含まれています。一方、不飽和脂肪酸も脂肪を構成するものですが、植物や魚の油に入っているものです。

どちらも油を構成する成分ですが、飽和脂肪酸は血液中の中性脂肪やコレステロールを増やし、不飽和脂肪酸は血液中の中性脂肪やコレステロールを低下させる働きがあります。

ただ、飽和脂肪酸はもちろん、不飽和脂肪酸も脂質を構成する要素なので、とりすぎには気を付けなければいけません。

「お肉中心ではなく、魚を加えたバランスの良い食事をする」「普段使う油を不飽和脂肪酸がたくさん含まれているものにする」など、できる範囲から食生活を変えてみてください。

生活習慣編:有酸素運動を取り入れる

中性脂肪を改善するためには、毎日の生活に有酸素運動を取り入れることがおすすめです。

有酸素運動とは、自分の能力の5割程度(少し汗ばむ程度の強度)で、長時間継続して行う運動を指します。例えば、ウォーキングやジョギング、サイクリングや水泳などが当てはまるでしょう。

普段から有酸素運動をすることで、中性脂肪値を下げられるのはもちろん、代謝やHDLコレステロールが増加し、心臓や肺の機能が強化されるなど嬉しい効果がたくさんあります。

有酸素運動の具体的な方法については、以下の記事で詳しく解説しているので、チェックしてみてください。

運動を習慣化してコレステロール値を下げる!効果的に改善するポイントも紹介

生活習慣編:睡眠を十分にとる

驚く方もいるかもしれませんが、睡眠不足は中性脂肪を増加させるため質の良い睡眠をとることが大切です。

眠りの質を高めるためには、体内時計に沿った規則正しい生活を心がけてみましょう。体内時計は、太陽の光を浴びればリセットされるため、毎朝決まった時間にカーテンを開けることで夜も自然と眠くなってきます。

さらに、就寝前はパソコンやスマートフォンの画面を長時間見ないこともポイントですよ。

質の高い睡眠ができれば、中性脂肪値を改善できるうえ、気持ちよく毎日を過ごせるでしょう。

まとめ

今回は、中性脂肪の役割や増えてしまう原因から、食事面・生活習慣面からの中性脂肪を下げるための改善策まで解説しました。

中性脂肪は私たちの体に必要なものですが、増加してしまうと体に悪栄養を与えてしまいます。この記事で紹介した、食事面と生活習慣面の改善策を参考に中性脂肪を基準範囲まで下げ、心身共に健康的な生活を送りましょう。

この記事の監修者

薬剤師

坂井 幸子

薬剤師。病気の「治療」と「予防」両方大切だと考え、健康と食物の関係を日々研究。
生活の中で体に必要な栄養を補い、正しいコンディションで過ごせるように栄養学の観点から健康と美容をサポートすることを得意としている。

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