この記事の監修者
薬剤師 坂井 幸子
2023.09.08
あなたは食後に血圧が上がる?それとも下がる?タイプ別に対処法を解説!
どんな人も、食後には血圧が多少変動するもの。
食べたものを消化する際は心拍数が上がり血液量が増えるため、それに伴い血圧が上昇しおよそ食後1時間程度で元の値に戻ります。
しかし、中には上がったままなかなか戻らない方や、血圧が下がり体調に影響が出る方も。
この記事では、なぜ食後にこのような血圧の変化が起こってしまうのか・どのように対策すべきかをタイプ別に解説しています。
ぜひ参考にしてみてください。
血圧が変動する仕組み
そもそも、血圧は1日の中で上がったり下がったりと変動するもの。リラックスしていると低い血圧に、激しい運動や入浴の直後には高い血圧になるのは、自律神経が関係しています。
では、血圧の変動についてより詳しく押さえるために、血圧の正常値や食後の血圧が「上がりやすいか」「下がりやすいか」を知る方法についてお話していきましょう。
血圧の正常値とは
血圧の正常値は、診察室血圧で120/80mmHg以下、家庭血圧では115/75mmHg以下とされています。
表に記載されている「正常高値血圧」や「高値血圧」は、将来的に高血圧になりやすいとされているため注意が必要です。
診断室血圧 (収縮期血圧・拡張期血圧) | 家庭血圧 (収縮期血圧・拡張期血圧) | |
正常血圧 | <120かつ<80 | <115かつ<75 |
正常高値血圧 | 120-129かつ<80 | 115-124かつ<75 |
高値血圧 | 130-139かつ/または80-89 | 125-134かつ/または75-84 |
Ⅰ度高血圧 | 140-159かつ/または90-99 | 135-144かつ/または85-89 |
Ⅱ度高血圧 | 160-179かつ/または100-109 | 145-159かつ/または90-99 |
Ⅲ度高血圧 | ≧180かつ/または≧110 | ≧160かつ/または≧100 |
(孤立性)収縮期高血圧 | ≧140かつ<90 | ≧135かつ<85 |
食後の血圧が「上がりやすいか」「下がりやすいか」を知る方法
食後の血圧が「上がりやすいか」「下がりやすいか」を知るには、以下のチェック項目を参考にしてみましょう。
- 食後にめまいを感じる
- 食後にふらつく
- 食後に立ちくらみが起きる
もし、上記に当てはまれば食後の血圧が下がりやすいと考えられます。
一方で、食後に血圧が上がってもなかなか戻らない方は、高血圧として頭痛や肩こりが起きやすいとされていますよ。
食後に血圧が上がりやすい人
まずは、食後に血圧が上がりやすい人の特徴として、食後に血圧が上がりやすい理由や気を付けるべきポイントについて解説します。
なぜ食後に血圧が上がるのか
実は、一般論として食事の直後には一時的に血圧が上がるといわれています。
これは、食後に消化や吸収作業が起こるために血液の量が増えるから。身体の仕組みとして、誰でも血圧が上昇しやすい状況なのですが、しばらくたっても血圧が下がらないときは注意が必要です。
例えば、塩分をとり過ぎていたり休養を十分にとれていなかったりなど、普段の生活習慣によって安静にしていても血圧が高い状態が続くことも。
「そういえば、最近忙しくて生活が乱れていたかも」と感じた方は、次章の気を付けるべきポイントを参考にしてみてください。
気を付けるべきポイント
食後に血圧が上がった後、なかなか下がらない場合は、以下の点を意識してみましょう。
- 塩分過多の食事をやめる
- ストレスを溜めないようにする
- 肥満を改善する
- 運動をする
日本人はどうしても塩分を摂取する習慣がありますが、とり過ぎてしまうと体内に水分が蓄積し、血液量を増加させて血圧を上げることに。また、人はストレスを感じて緊張状態になると、交感神経が優位になって血圧を上昇させます。
さらに、肥満の場合も血圧を上げてしまうので、食事や運動などを行いながら長期的な目線で取り組んでいくことがおすすめです。
上記以外にも加齢によって血圧は上がりやすくなりますが、上記のポイントを意識することで健康リスクの予防につながるので、ぜひ行なってみてください。
食後に血圧が下がりやすい人
通常、食事の直後には血圧が上がるものですが、たまに血圧が下がる人もいます。
こちらでは、なぜ食後に血圧が下がるのかということや、気を付けるべきポイントについて解説していきましょう。
なぜ食後に血圧が下がるのか
一般的に、食事をした後は適切に自律神経が働き、血圧や心拍数を上げて血液の循環が上手くいくようにしています。
しかし、自律神経が弱くなり、この機能が上手くいかない場合は、食後に血圧が下がってしまうのです。
気を付けるべきポイント
食後に血圧が下がりやすい人が気を付けるべきポイントは、以下の通りです。
- ゆっくり食べる
- 腹八分目で食べ過ぎない
- 適量のカフェインをとる
- 食後は安静にする
よく噛んでゆっくりと食べれば、胃腸に血液が集まりやすくなり、食後の血圧が下がることを防げるでしょう。特に炭水化物やブドウ糖のとり過ぎは血圧の低下を起こしやすくするので、注意してくださいね。
コーヒーや緑茶を食後に飲むと、血の巡りを改善する効果が期待できるので、適量を摂取するのもおすすめ。食後はすぐに動かず、30分〜1時間程ゆっくりと過ごしましょう。
食後に血圧が下がりやすい状態は糖尿病の方に見られることもあります。糖尿病のように血糖値が高い状態では様々な健康リスクが高まるので対策してみてください。
まとめ
今回は、なぜ食後に血圧の変化が起こってしまうのか、どのように対策すべきかをタイプ別に解説しました。
食後に血圧の変化が起こることは自然なことですが、あまりにも変動してしまうときは注意が必要。この記事でご紹介した気を付けるべきポイントを参考にしながら、今日から対策してみましょう。
この記事の監修者
薬剤師
坂井 幸子
薬剤師。病気の「治療」と「予防」両方大切だと考え、健康と食物の関係を日々研究。
生活の中で体に必要な栄養を補い、正しいコンディションで過ごせるように栄養学の観点から健康と美容をサポートすることを得意としている。
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