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ドクター監修

この記事の監修者

薬剤師 坂井 幸子

2023.08.17

どこからが高血圧?正常値ってどのくらい?高血圧の診断基準と対策方法について解説

みなさんは、「高血圧」と聞くとどのようなイメージが浮かびますか?

● 血圧が高いと体に良くない
● 高血圧は症状がないから怖い

など、「リスクがある」ということは理解している方が多いかと思います。

それでは、高血圧の基準はどこからなのでしょうか。
血圧の正常値とはいくつくらいなのでしょうか。

この記事では、血圧の基準値や高血圧とはどういうものかについて解説しています。
ぜひ参考にしてみてくださいね。

目次

「高血圧」はどのような状態のこと?

高血圧とは、血圧を送り出す圧力が高まり、血管が傷む恐れのある状態のこと。端的にお話すると、血圧が高い状態のことですが、たまたま測って高いときではなく繰り返し測っても血圧が正常より高い場合を指します。

高血圧は、以下2種類に分けることができます。

■本態性高血圧:原因がわからない場合
■二次性高血圧:血圧上昇となる原因がはっきりとした病気にかかっている場合

特に「本態性高血圧」は、遺伝的な因子やストレス・運動不足・肥満などの生活習慣が関係しているといわれており、高血圧症の約90%がこれにあたるのです。

高血圧はなかなか自覚症状がありませんが、放っておくと血管がいつも張りつめた状態になってしまい、だんだん厚く硬くなってしまうことに。これにより、様々な健康リスクを招く恐れがあるため、血圧が正常になるように対策することが大切です。

そもそも血圧とは

高血圧について十分に理解するために、そもそも血圧とは何かについておさらいしておきましょう。

血圧とは、心臓から送り出された血液が動脈の内側を押す力です。

血圧を測るときによく聞く「上」は、心臓が収縮して全身に血液が送られて血圧が高くなる状態のこと。医療界では、「最高血圧」や「収縮期血圧」と呼ばれています。

一方、血圧の「下」とは、心臓が拡張することで全身から血液が戻ってきて、血圧が低くなる状態です。「最低血圧」や「拡張期血圧」と称されています。

血圧は、心臓から押し出される血液の量・血管の太さ・血管壁の弾力性の3つで決定されているもの。血液の量が多くなったり末梢の血管が委縮したり、または動脈の弾力性が低下したりすると、高血圧になるといわれているのです。

日本において血圧を測る方法は、一般的に病院などで測る「診察室血圧」と自宅で自ら測る「家庭血圧」の2種類です。

測る環境によって血圧の数値は変わるため、診察室血圧と家庭血圧では異なる基準値が設定されています。

健康な人の血圧はどのくらい?血圧の診断基準

健康な人の血圧は、診察室血圧で120/80mmHg以下、家庭血圧では115/75mmHg以下とされています。一方、高血圧の基準は診察室血圧で140/90mmHg以上、家庭血圧で135/85mmHg以上と定義されているのです。

それでは、詳しい診断基準について以下の表をご覧ください。

診断室血圧
(収縮期血圧・拡張期血圧)
家庭血圧
(収縮期血圧・拡張期血圧)
正常血圧<120かつ<80<115かつ<75
正常高値血圧120-129かつ<80115-124かつ<75
高値血圧130-139かつ/または80-89125-134かつ/または75-84
Ⅰ度高血圧140-159かつ/または90-99135-144かつ/または85-89
Ⅱ度高血圧160-179かつ/または100-109145-159かつ/または90-99
Ⅲ度高血圧≧180かつ/または≧110≧160かつ/または≧100
(孤立性)収縮期高血圧≧140かつ<90≧135かつ<85

「正常血圧」と「高血圧」の間は、「正常高値血圧」「高値血圧」と定義されています。将来的に高血圧になる可能性があると考えられているため、正常血圧まで戻すための対策をしておくと安心です。

血圧を目標値に近づけるための方法は、この記事の後半でご紹介するので参考にしてみてください。

高血圧には3つのレベルがある

実は、高血圧は3つのレベルに分けられることをご存じでしょうか。

病院で測定したとき、上の血圧(収縮期血圧)と下の血圧(拡張期血圧)のどちらか一方でも、140/90mmHg以上あれば高血圧と診断されますが、その中でも重症度によって以下3つのレベルに分けられます。

診断室血圧
(収縮期血圧・拡張期血圧)
家庭血圧
(収縮期血圧・拡張期血圧)
Ⅰ度高血圧140-159かつ/または90-99135-144かつ/または85-89
Ⅱ度高血圧160-179かつ/または100-109145-159かつ/または90-99
Ⅲ度高血圧≧180かつ/または≧110≧160かつ/または≧100

数字の若い度数に近いほど正常値に近く、Ⅲ度高血圧より上のレベルはありません。健康診断でⅢ度高血圧という診断が出たら、すぐに医療機関を受診して治療を開始するべきでしょう。

ちなみに、先ほどの表で「Ⅲ度高血圧」の下欄に記載した「(孤立性)収縮期高血圧」は、上の血圧だけが高く、下の血圧は高くない状態を意味しています。

血圧の目標値は人によって違う

血圧をどこまで下げるべきかは、年齢や性別などによって異なります。以下に、一例としていくつかの目標値をご紹介しましょう。

診断室血圧
(収縮期血圧・拡張期血圧)
家庭血圧
(収縮期血圧・拡張期血圧)
若年、中年、65歳以上の方130/80mmHg未満125/75mmHg未満
75歳以上の方140/90mmHg未満135/85mmHg未満
糖尿病の方130/80mmHg未満125/75mmHg未満

高血圧治療ガイドライン2019から、血圧の目標値は引き下げられたことで、もしかしたら以前よりも血圧を気にしなければいけない方が増えているかもしれません。

「でも、下げるのは難しそう」「高血圧の数値だけど、とりあえず自覚症状はないからこのままでいいかな」と放置してしまうと、初めにお伝えしたように様々な健康リスクを引き起こすことに。

日本人を対象とした研究でも、血圧が高いほど死亡リスクも相対的に高くなることが報告されており、少しでも血圧値に危機感を感じた方は今から対策を始めるのがおすすめです。

血圧を目標値に近づけるためには

血圧を目標値へ近づけるためには、生活習慣を変える必要があるでしょう。高血圧の9割が塩分過多や肥満、運動不足やアルコール摂取など生活習慣の乱れによって引き起こされています。

このため、食事や運動などで毎日の生活習慣を変えていけば、少しずつ目標値へと近づけることに。無意識に行っていた習慣を変化させることは大変かもしれませんが、今から取り組んでいくことで大きな健康リスクを防げます。

こちらからは、血圧を下げる代表的な方法として、食事と運動習慣について紹介しましょう。2つともすぐにできるものばかりなので、気楽にチャレンジしてみてください。

食事で「減塩」を意識する

日本人の高血圧における最大の原因は食塩のとりすぎといわれています。

塩分をとり過ぎると血液中のナトリウム濃度が高くなり、人はのどの渇きを感じて水を飲みますよね。すると、血管に流れる血液量が増えて、血圧が上がってしまうのです。

日本では、塩分の目標量を「1日男性7.5g未満、女性6.5g未満」としていますが、健康診断などで血圧の基準値を上回っている方は「1日6g未満」を目安にするのがおすすめ。

減塩をするコツとしては、酸味を効かせたり焼き目をつけて香ばしくしたりと、塩分を少なくしても美味しく食べられるように工夫することです。

今まで濃い味付けを食べ続けてきた方だと、ただ塩分を減らした料理を口にすると「美味しくない…」と感じてしまうことも。食事の楽しみがなくなるとストレスを感じてしまい、減塩を続けられなくなるので、美味しく調理するコツやレシピを知っておきましょう。

以下の記事では、減塩に効果的な食べ物やレシピ、さらに調理のコツまで解説しているので、参考にしてみてください。

運動習慣を身につける

血圧を下げる方法として運動習慣を身につけるのも有効です。

高血圧には、ややきついと感じるほどの有酸素運動(ウォーキングやジョギングなど)を30分以上、できれば毎日実施することが良いといわれています。

「運動なんていつからやってないんだろう…」という方は、車ではなく自転車で買い物に行ったり、階段を率先して使ったりから始めてみるのが一押し。

詳しい運動の方法は以下の記事でたっぷりと紹介しているので、気になる方はチェックしてみてください。

まとめ

今回は、血圧の基準値や高血圧とはどういうものかについて解説しています。

では、最後に血圧の基準値についておさらいしてみましょう。

診断室血圧
(収縮期血圧・拡張期血圧)
家庭血圧
(収縮期血圧・拡張期血圧)
健康な方120/80mmHg以下115/75mmHg以下
高血圧の方140/90mmHg以上135/85mmHg以上

血圧が高い状態の高血圧を放っておくと、様々な健康リスクを引き起こしてしまうので、この記事で紹介した方法を試しながら目標値に近づけていきましょう。

この記事の監修者

薬剤師

坂井 幸子

薬剤師。病気の「治療」と「予防」両方大切だと考え、健康と食物の関係を日々研究。
生活の中で体に必要な栄養を補い、正しいコンディションで過ごせるように栄養学の観点から健康と美容をサポートすることを得意としている。

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