この記事の監修者
医学博士 大塚 亮
2024.11.24
【お医者さんのコラム】正しいと思っていた食生活が意外と逆効果!?あなたの食事、栄養足りていますか?
□カロリーを減らすために脂肪の多い食事は控えている
□健康のため朝食はスムージーだけ、そのほかの食事もサラダのみなど野菜が中心
□「日本人は米だ!」とお米にこだわり、たっぷり食べるようにしている
□「常温で固形になる油脂は体内でも固まる!」と肉やバターは体に悪いと思い込み、食べないようにしている
□いつも朝昼兼用でコンビニのおにぎりやそばなど炭水化物に偏ったものを食べている
これらの項目の中に、普段の食生活で当てはまるものはあるでしょうか。
野菜中心や脂肪控えめの食事など、一見ヘルシーなものもありますが、実は栄養不足を招き、心身の不調の原因となっているかもしれません。
健康を意識しているつもりなのにどうして栄養不足を引き起こすの?
「飽食の日本で、栄養不足なんて!」と思う方も多いかもしれません。
ですが、現代の日本では、高血圧やメタボリック症候群などの生活習慣病を気にして、高カロリーの食べ物や肉・脂質の食べ過ぎや健康に悪く、野菜中心の和食がいいというような考え方が根づいています。
実は、その考えが細胞レベルでの栄養不足になっているのです。
糖質のとりすぎは要注意!体に必要な栄養素は満たされない?
カロリーを気にして、肉や脂質を食べない方がどんな食事をしているかというと、糖質の多い食事。
丼物・パン・パスタやうどんなどの麺類は、忙しい時でも手軽に食事ができて、さらに満腹感も得られます。
ですが、お腹は満たせても体に必要な栄養は満たされません。
また、ちゃんとした食事をせずに、スイーツで一食を済ませてしまう人も。
女性の場合は、体型を気にして、常時ダイエットをしているという方も多いでしょう。
いずれにせよ、このような食生活を続けていくと、実質的に栄養不足を引き起こしてしまうのです。
体や心の健康は日々食べているものから作られる
理由のわからない不調(不定愁訴)を抱える方の多くで不足しているのが、たんぱく質・ビタミンB・鉄・亜鉛・ビタミンDです。
これら5つの栄養素は、体を作るだけでなく心の健康もサポートする役割を持っています。
つまり、体に必要な栄養が十分に満たされていないと、体や心の健康にも大きく影響する可能性があるのです。
人間の体はおよそ37兆個の細胞でできています。
そのうち3,000~4,000億個の細胞が毎日新しくつくられ入れ替わっています。
栄養不足になると、細胞の材料が不足し、正常に働ける細胞を体内でつくることができなくなってしまうのです。
しかし、体は少ない材料でも、なんとか細胞をつくろうとします。
少ない材料で作られた中途半端な細胞では、ストレスの多い現代社会では太刀打ちできず、不調を抱える人が多いのは明らかです。
私たちの体は、指一本動かすだけでも、あらゆるところでエネルギーが必要になります。
栄養が不足すれば、そのエネルギーも不足し、細胞レベルで元気がなくなってしまいます。
体や心の健康を守るためにも、糖質量を控え目に・そしてたんぱく質・ビタミンB・鉄・亜鉛・ビタミンDなど不足している栄養を積極的にとるように心がけてみましょう。
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この記事の監修者
医学博士
大塚 亮
おおつか医院院長。医学博士。循環器専門医。
オーソモレキュラー・ニュートリションドクター(OND)認定医。大阪市立大学医学部附属病院循環器内科、ニューヨーク州 Columbia University Irving Medical Center, NewYork–Presbyterian Hospital、西宮渡辺心臓脳・血管センター勤務を経て、おおつか医院院長に就任。日本内科学会・日本循環器学会・日本抗加齢医学会に所属。
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