この記事の監修者
医学博士 大塚 亮
2023.03.09
【お医者さんのコラム】太る原因は「脳」にあった!脳が糖依存してしまう仕組みとは
「痩せたいという気持ちはあるのに、ついつい食べてしまう」
「甘いものが我慢できない」
頭では分かっていても、いつの間にか食べ物に手を伸ばしてしまってなかなか痩せられないという経験が多くの人にあると思います。
ですがダイエットが思い通りにできないのは、自分自身の気持ちが弱いからではありません!
実は、太る原因は「脳」にありました。
脳と食欲がどのように関わっているか、糖質のとりすぎはどのくらい体に影響を及ぼすのかをご紹介します。
とり過ぎた糖質は脂肪に変わる
糖質、脂質、たんぱく質は人が必要とする三大栄養素です。
脂質とたんぱく質は多くとっても体に害はありませんが、とり過ぎた糖質は脂肪に変わり健康リスクを引き起こす原因になってしまうので注意が必要です。
糖質のとりすぎで問題となるのは「血糖値」。
糖質は消化後、ブドウ糖に分解されて血液中に放出されます。このブドウ糖量が血糖値です。
身体は血液中のブドウ糖をエネルギーとして使うため、膵臓からインスリンというホルモンを出して細胞内に取り込み、それによって血糖値は下がることになります。
食欲が落ちないのは「脳」が糖を欲しがるから
糖質を日常的に多くとり続けていると、インスリンがひっきりなしに出され効き具合も衰えるようになるため、必要量を上回るインスリンを分泌するようになってしまいます。
このような状態は「インスリン抵抗性」と呼ばれ、健康に影響を与える要因となっています。
その一方で脂肪細胞から分泌され、通常は満腹信号を出し食欲を抑制する「痩せホルモン」と呼ばれるレプチンも、インスリン抵抗性のもとでは働きが遮断され「レプチン抵抗性」の状態となります。
その結果、体内ではインスリンもレプチンも効きが悪い状態になってしまうため、
■いつまでたっても食欲は落ちない
■糖質の過剰摂取に歯止めがかからない
■血糖値は下がらない
という際限のない悪いサイクルに陥ってしまいます。
つまり、意志が弱いから食欲をおさえることができないのではなく、脳が「糖依存」という機能不全を起こして食欲をコントロールできなくなっているのです。
「ちゃんと食事をしたのに甘いものが食べたくなる」「空腹ではないのに何か口に入れたくなる」というのはすでに脳が糖依存しているサイン。糖質をとりすぎないように注意し、栄養バランスの整った食生活を心がけましょう。
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太る原因は、意志の弱さではなく、「脳」にあり!食事の満足度を上げるたんぱく質たっぷりの糖質オフレシピ50品掲載。
「痩せ脳」へシフトして、リバウンド知らずの体を目指しましょう。
この記事の監修者
医学博士
大塚 亮
おおつか医院院長。医学博士。循環器専門医。
オーソモレキュラー・ニュートリションドクター(OND)認定医。大阪市立大学医学部附属病院循環器内科、ニューヨーク州 Columbia University Irving Medical Center, NewYork–Presbyterian Hospital、西宮渡辺心臓脳・血管センター勤務を経て、おおつか医院院長に就任。日本内科学会・日本循環器学会・日本抗加齢医学会に所属。
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