この記事の監修者
薬剤師 坂井 幸子
2022.12.20
「即効」で疲れを取りたいあなたへ!今すぐ始められる改善方法をご紹介
仕事に家事・育児、プライベートもやりたいことがたくさん…夢中で毎日を過ごしていると、いつの間にか溜まる疲労。 「ちょっとくらいなら我慢しよう」と、その疲れ、無視していませんか?
その場はなんとか乗り切れたとしても、蓄積された疲労をきちんと解消しないと、体にも心にも大きく影響を及ぼしてしまうかもしれません。
「疲れ」は毎日頑張っている証拠でもありますが、体からのSOSとも受け取れます。 自分の体を労わる即効改善方法をひとつでも多く見つけて、疲れに負けない体を作りましょう。
「今、仕事が頑張り時」「しっかり家庭を守らなきゃ」など自分のことを後回しに頑張りすぎてしまう方、ぜひ参考にしてみてください。
疲れをしっかり取りたいならこれを試して!
体にずっしりと溜まってしまった疲労は、できるだけ早く解消したいですよね。
こちらでは、食事編・運動編・生活習慣編と3つに分けて、疲れを取る方法について解説します。
疲れをすっきりと取るポイントとしては、疲労の度合いにあわせて、自分にできるものからチャレンジすることです。さらに、体に良い習慣を取り入れて、疲れにくい体を作るようにしてみましょう。
即効性が期待できる疲労回復方法①食事編
体に良い食事を意識することで、疲労を回復することができます。
疲れを取るために食事面で意識したいことは、以下の3つです。
● 栄養バランスを整える
● 抗酸化作用のある栄養素をとる
● ビタミンBをとる
それぞれのポイントを解説していきましょう。
栄養バランスを整える
疲れを感じたら、栄養バランスに優れた食事をとることがおすすめです。炭水化物や脂質、たんぱく質やミネラルなどの栄養素を十分に摂取するように心がけてみてください。
「今はダイエット中だから…」「忙しくて…」と、ついつい食事が偏ってしまいがちですが、これはNG。栄養素は単独で働くのではなく、複数が組み合わさって体の疲労回復に働くので、バランスの良い食事を意識するべきでしょう。
具体的にどんな食事にすればいいのか悩んでしまったら、ぜひ日本食を選んでみてください。
日本食は、「ご飯」「汁物」「おかず3種」の一汁三菜が基本構成であり、ヘルシーで栄養バランスに優れています。ご飯で炭水化物、汁物で水分、おかずでたんぱく質やミネラルなどを摂取できるため、自然と栄養バランスが整った献立を完成するのです。
ユネスコの世界無形文化遺産に登録されている日本食を、疲労回復のために作ってみてください。
抗酸化作用のある栄養素をとる
疲労を回復するには、疲れの原因である「活性酸素」の活動を抑制する、抗酸化物質をとってみましょう。
疲労原因の1つとして、活性酸素が神経細胞を破壊することで起こるといわれています。このため、細胞の傷害を予防・遅延する抗酸化物質を摂取すれば、疲れをとることができるでしょう。
抗酸化作用のある栄養素は、主に以下のようなものが挙げられます。
● ポリフェノール(ブルーベリー、大豆、緑茶など)
● カロテノイド(カボチャなど)
● ビタミンA(ブロッコリー、豚レバー、ホウレンソウなど)
● ビタミンE(ウナギなど)
● ミネラル(いわし丸干し、牡蠣、牛肉など)
栄養面を意識する以外にも、活性酸素を増やさないライフスタイルに切り替えることも重要です。タバコや過剰なアルコール摂取、過剰な運動などは活性酸素を増加するリスクがあるので、注意しましょう。
ビタミンBをとる
疲労回復のためには、ビタミンBをとることもおすすめです。
疲れは、体内の栄養素をスムーズにエネルギーへ変換できないときに感じるともいわれています。ビタミンBは、エネルギー代謝が効率よく行なわれるようにサポートしてくれるので、積極的に摂取していきましょう。
疲労時に摂取するべきビタミンとしては、主に以下の通りです。
● ビタミンB1(豚肉、レバー、ウナギなど)
● ビタミンB2(カレイ、牛乳、納豆など)
● ビタミンB6(マグロ、サバ、カツオなど)
さらに、エネルギー代謝をサポートする「クエン酸」も共に摂取すると、疲労回復が期待できます。クエン酸に代表される食べ物はレモンや梅干しなので、摂り入れることで酸味が増し食欲アップすること間違いなしです。
レモンを絞ったトンカツや豚肉の梅しそ巻きなど、栄養も摂取できるうえ美味しいメニューなら、心身共に元気になれるでしょう。
即効性が期待できる疲労回復方法②運動編
疲労回復をするには適度な運動やストレッチ、マッサージがおすすめです。
「疲れているんだからなるべく動かないほうがいいんじゃない?」と思うかもしれませんが、運動にはストレス解消効果があるといわれています。
また、ウォーキングなどの適度な有酸素運動は身体がリラックスできるので、ぜひ行なってみましょう。
こちらでは、毎日に取り入れやすい以下の疲労回復ストレッチを紹介します。
● 快眠背中ストレッチ
● 全身すっきりストレッチ
「最近疲れがなかなかとれないな」と悩んでいる方は、ぜひチェックしてみてください。
【人気トレーナー直伝】ぐっすり眠って疲れを解消!快眠背中ストレッチ
疲れをとることに欠かせない睡眠。ただ、質の良い睡眠がとれなければ、なかなか疲労を回復させることはできませんよね。
寝る前にストレッチをすれば、凝り固まった身体をほぐすことができ、睡眠の質が上がります。
では、ベッドの上で行える簡単なストレッチを紹介しましょう。
1.仰向けになり、左手で右の手首を掴む
2.左手で右腕を上に引っ張る
3.そのまま体を左に倒し、背中が気持ちよく伸びるところで30秒キープ
4.2セット行った後、反対も同様に行う
詳しいストレッチ方法はこちらの記事でお伝えしているので、ぜひチェックしてみてください。
【人気トレーナー直伝】寝たまま30秒キープするだけ!簡単全身すっきりストレッチ
疲労回復をしたい方は、股関節周りのストレッチも行なってみましょう。股関節周りの筋肉をほぐせば、むくみの改善や基礎代謝UP、腰痛予防やセルライト防止にも繋がります。
では、おすすめのストレッチを2つ紹介しましょう。
【内ももの血行促進ストレッチ】
1.うつ伏せになり、お腹に力を入れる
2.右膝を外側に開いた姿勢で30秒キープ
3.反対も同様に行う
【太もも前面の血行促進ストレッチ】
1.うつ伏せになり、お腹に力を入れる
2.右膝を曲げ、右手で足の甲を掴んだら、かかとをお尻に近づけたまま20秒キープ
3.反対も同様に行う
こちらの記事では、写真付きでストレッチを解説しているので、要チェックです。
即効性が期待できる疲労回復方法③生活習慣編
以下のように生活習慣を見直すことで、疲労を回復することができます。
● 質の良い睡眠を取る
● 湯船につかる
● 寝る前のパソコンやスマホは控える
では、それぞれのポイントについてお話していきましょう。
質の良い睡眠を取る
睡眠不足や質の悪い睡眠は、疲れを取ることができないうえ、情緒が不安定になるなどのデメリットもあります。
ぜひ、以下のポイントを参考に質の良い睡眠を取ってみましょう。
● 自分にマッチした睡眠時間を知る
● 夕食後のカフェインや寝酒をやめる
● 寝やすい環境を作る
● 軽い読書や音楽などでリラックスする
● 同じ時間に起床する
● 夕方以降は昼寝しない
必要な睡眠時間は人それぞれなので、「8時間寝なきゃ」など無理に長時間眠ろうと思わず、すっきりと目覚められる時間を見つけてみてください。
また、自分に適した枕や布団を用意するなど、寝やすい環境を作ることも大切です。
質の良い睡眠には、疲労を回復しストレスを解消させる効果が期待できるので、ぜひ今夜から試してみましょう。
湯船につかる
毎日の疲れを癒すためにも、ぜひ湯船につかってみてください。
「仕事でくたくただから、シャワーだけですませたい!」と考える方もいるかもしれません。しかし、湯船に入ることには以下のような嬉しいメリットがあるのです。
● 疲労を減少させる
● むくみを解消させる
● リラックス効果
湯船に入れば体が温まるので、血液がしっかりと循環します。これにより、老廃物や二酸化炭素の排出が促進され、溜まった疲れを解消させることが可能です。
さらに、血液やリンパ液も循環するため、むくみの解消も期待できます。筋緊張が緩まることから、リラックス効果があるのも魅力的ですね。
湯船で十分に疲労を回復するには、 38~39℃のお湯に肩まで20分ほどつかるのがおすすめです。
寝る前のパソコンやスマホは控える
寝る前のパソコンやスマホは、睡眠の質を低下させるといわれています。
パソコンやスマホの発する光は、睡眠へ誘うホルモン「メラトニン」を抑制する効果があります。このため、目がさえてしまい、布団に入ってもなかなか眠れないといったことが起きてしまうのです。
「寝る前にTwitterを見よう」「ゴロゴロしながらYouTubeを観よう」としてしまうと、どんどん脳が覚醒してしまいます。
特に、画面を近くで見るスマホは注意が必要です。寝る1時間前にはパソコンやスマホを控え、読書をしたり音楽を聴いたりしてリラックスすることを心がけましょう。
疲れがとれないのは、○○が原因だった!
疲れをしっかりと回復させるには、原因を知ることが大切です。
疲労を感じるメカニズムを知ることで、疲れを最小限に抑えたり予防することができます。
こちらでは、「肉体的な疲労(末梢性疲労)」と「精神・神経の疲労(中枢性疲労)」の原因や対処法について解説していきましょう。
肉体的な疲労(末梢性疲労)
肉体的な疲労(末梢性疲労)とは、筋肉を使い過ぎたことによって起こる疲労です。スポーツをした後などに、体のエネルギーが不足している状態を指します。
筋肉を酷使しすぎると、老廃物や疲労物質が蓄積し、筋肉のだるさを感じるもの。疲労は身体からのサインでもあるので、しっかりと解消させましょう。
肉体的な疲労を回復させるには、十分な栄養をとり、ゆっくりと休養することが重要です。
栄養バランスの良い食事や抗酸化作用のある栄養素、さらにビタミンBを摂取して疲れの解消に専念しましょう。また、質の高い睡眠を意識することで、身体をすっきりと元気にさせることができます。
精神・神経の疲労(中枢性疲労)
精神・神経の疲労(中枢性疲労)とは、ストレスや緊張状態が続くことによって起こる疲労を指します。視神経や脳が緊張しているときに感じる疲れであり、会社の会議や人間関係のストレスなどから発生するのです。
精神的なストレスを感じた際、脳が活発に活動し、活性酸素が大量に生じます。これにより、疲れやだるさを感じるのですが、ついつい見て見ぬふりをしてしまうこともあるでしょう。
精神・神経の疲労を感じたときは、身体を動かしたり音楽を聴いてみたりなどして、リフレッシュをしてみてください。苦しくなったら1人で我慢せずに、誰かに話を聞いてもらうことも良いでしょう。
自分ができる範囲でストレス解消に取り組んでみることで、きっと疲れを軽減させることができます。
疲労がたまりすぎると体にどんな影響がある?
「忙しくてなかなか休めない」「疲れているのは気のせいかも」と疲労を放っておいてしまうと、自律神経のバランスが崩れ、精神状態も不安定になってしまいます。
これにより、免疫力が低下してしまいウイルスに感染し始めたりすると、体が対処しようと頑張るため、さらに疲労感がつのってしまうのです。
つまり、今感じている疲労を放っておいてしまうと、慢性的に疲れを感じることになります。いつも気分が落ち込んでしまったり、けだるさや集中力が低下していたりなどは嫌ですよね。
「まだ、これくらいなら大丈夫」と思わず、勇気を持って頑張っている自分を休養させてあげましょう。
まとめ
今回は、即効で疲れを取る方法や疲れが取れない原因について解説しました。
疲れを取るには、食事・運動・生活習慣を意識しながら取り組むことがおすすめです。「疲れた…」といった状態を放置してしまうと、免疫力が下がったり慢性的に疲労を感じたりなどが考えられるので、注意しましょう。
お伝えした改善方法の中から、少しでもできることを続けてみてください。
この記事の監修者
薬剤師
坂井 幸子
薬剤師。病気の「治療」と「予防」両方大切だと考え、健康と食物の関係を日々研究。
生活の中で体に必要な栄養を補い、正しいコンディションで過ごせるように栄養学の観点から健康と美容をサポートすることを得意としている。
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