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ドクター監修

この記事の監修者

医学博士 大塚 亮

2022.06.03

血糖値が気になる方必見!血糖値を下げる食事法や食べ物をご紹介

「血糖値が高いけど放置するのはよくないの?」
「日常的に簡単にとりいれられる血糖値を下げる方法は?」
「手軽に手に入る食べ物・飲み物で血糖値を下げる効果があるものは?」

といった方のために、血糖値を放置するとどうなるのかや、どういった食事、食べ物がいいのか医師監修のもと、ご紹介いたします。ぜひ、日々の生活にお役立てください。

目次

1.血糖値が高いまま放置するとどうなるの?

「血糖値が高くなる・低くなる」と耳にするけれど、実際にどのような意味があるか分かっていない人は意外と多いのです。特に高い血糖値を放置しておくと、様々な病気を発症するリスクが高くなります。

血糖値を上げる原因は、お米やパンといった炭水化物やお菓子などに含まれている糖質です。食事でとった糖質はブドウ糖に分解されて、血液を通して全身に送られます。その際に、血液中にどれだけブドウ糖が混ざっているかの指標が血糖値です。

血糖値の基準値、目標

空腹の状態で測った数値が血糖値の基準値です。これを「空腹時血糖」といいます。空腹時は血糖値が食事の影響を受けず、最も低い数値を表します。食事の影響を受けないため、空腹時血糖は血糖値の基準値とされているのです。

他にも「HbA1c」というものがあります。HbA1cとは、血糖値の測定前から約1〜2か月の平均血糖値のことです。自分の血糖値がどのように上下しているかを知ることで、運動の必要性や食事方法を変える指標となります。

血糖値の基準値は、以下を目安にしましょう。

・空腹時血糖が100mg/dL未満
・食後から2時間後の血糖値が140mg/dL未満
・HbA1cが4.6~6.2%で5.5%以下が目標値

空腹時血糖が126mg/dL以上、食後血糖値が200mg/dL以上、HbA1cが6.5%以上の場合は、糖尿病の疑いがあると診断されます。

血糖値の急変動(血糖値スパイク)が体をむしばむ

本来血糖値は食事のたびに上がったり下がったりと変動し、食事後は血液中にあるブドウ糖の濃度が濃くなります。この状態を「血糖値が高くなる(高血糖)」といいます。通常は、血糖値が高くなると「インスリン」というホルモンが膵臓から分泌されて、血糖値を下げるように働くのです。

しかし、ここで気をつけたいのは糖質のとりすぎにより、血糖値が「急変動」してしまうこと。通常、上がった血糖値はインスリンによりゆるやかに下がっていくのですが、急激に血糖値が上がってしまうとそれを下げようとインスリンが多量に放出され、今度は血糖値が急降下してしまいます。まるでジェットコースターのように変動する血糖値の様子をグラフにすると鋭角的な線を描くことから、血糖値が急変動する状態をスポーツシューズのスパイクになぞらえて「血糖値スパイク」と呼ばれるようになりました。

血糖値スパイクは血管に傷をつけてしまい、やがて健康リスクを引き起こし体にダメージを与えてしまいます。

血糖値が高いまま放置すると糖尿病や肥満、高血圧に

食後に血糖値がなかなか下がらない場合、「糖尿病」の疑いがあります。通常であれば、食後に上がった血糖値を下げるために「インスリン」というホルモンが分泌されます。しかし、糖尿病になると、インスリンが十分に分泌されない、もしくはインスリンが効果を発揮できないのです。

糖尿病になると次のような症状が現れるため、注意が必要です。

・喉が乾きやすくなる
・排尿の回数が増える
・疲れやすくなる
・体重が減る

インスリンの働きが弱くなり血糖値が下がらないまま放置すると、血管が詰まったり傷がつきます。その結果、意識障害を起こす恐れがあるのです。

糖尿病の恐ろしいのは、「糖尿病合併症」を引き起こす点です。糖尿病合併症には、主に以下の3種類があげられます。

■糖尿病網膜症
血糖値が高いまま放置すると、目の血管が詰まるなどして血流が悪くなります。その結果、酸素欠乏症や血管が破れるなどして網膜症が起こります。最悪な場合、視力低下や失明する恐れがあるのです。

■糖尿病腎症
腎臓は、血液中にある不純物を尿として排泄する働きがあります。血糖値が高い状態になると、腎臓にある血管が詰まるなどして腎臓の働きが低下します。すると血液中に不純物が溜まり、全身の血管が傷ついたり詰まるなどして、命を落とすリスクが高まるのです。

■糖尿病神経障害
血糖値が高いまま放置すると、手足の血管に血が流れにくくなります。その結果、末端神経に障害が現れ、痺れや麻痺などが起こります。最悪の場合、脳梗塞や狭心症などの重篤な病気を引き起こすリスクが高まるのです。

2.血糖値を下げる食事方法は

血糖値を下げる、もしくは急上昇させないためには、普段の食生活がとても重要です。血糖値の上昇を抑えられる食事の選び方やポイントをご紹介します。

血糖値の上昇を抑えられる食事の選び方

血糖値の上昇を抑える食事として、低GI食品と食物繊維があります。GIはGlycemic Index(グリセミック・インデックス)の略で、食後に血糖値がどれだけ上がるかを示した数値のことです。

GIが高いほど血糖値が上がりやすく、低ければ血糖値の上昇を抑えられることを表しています。ブドウ糖のGI値を100として、GIは以下が目安です。

・70以上:高GI食品
・56~69:中GI食品
・55以下:低GI食品

高GIの代表には普段口にしている食パン、白米、うどんなどがあります。対して低GI食品には全粒粉パン、玄米、オートミールなどが挙げられます。

また、食物繊維の豊富な食材も血糖値の上昇を抑えます。野菜や炭水化物に含まれている食物繊維は、消化・吸収されない栄養素です。ビタミンやミネラルのような働きはしませんが、腸内環境を整え、糖質や脂質の吸収を抑える働きがあります。

特に朝食で食物繊維をとっておくと、食後の血糖値の上昇がゆるやかになります。その作用は昼食後まで続きます。例えば、昼食にサンドイッチや麺類などの糖質の多い炭水化物を食べたとしても、朝食で食物繊維をとっておけば、血糖値の急上昇が防げます。

この作用は「セカンドミール効果」と呼ばれています。昼食後までの糖質をコントロールできるため、朝食で食物繊維を食べるメリットはとても大きいでしょう。

また、食事をする際は食物繊維の多いものから食べるのもおすすめ。そのあと肉や魚・大豆製品といったたんぱく質、最後にご飯・パン類・麺類などの炭水化物といった順番を意識することも血糖値の急上昇を防ぐことにつながります。

血糖値の上昇を抑える食事前のポイント

血糖値は主に食事後に上がります。そこで、食事前にできる血糖値の上昇を抑えるポイントをご紹介します。

・砂糖たっぷりのジュースを飲まない
・間食はナッツ類を選ぶ
・たんぱく質を積極的にとる
・無理のない食事量を用意する
・外食を避ける

血糖値の上昇を避けるために、砂糖が入ったジュースはやめましょう。清涼飲料水や砂糖入りのコーヒーなど、飲料は吸収されやすいので血糖値が上がりやすくなります。間食をする際は、スナック菓子やスイーツなどの砂糖がたっぷり入ったお菓子ではなく、ナッツ類を選びましょう。

忙しくて食事を準備できないときも、炭水化物が多いものなどは避けるべきです。どうしても外食をするなら、玄米を使ったお弁当やお蕎麦など、低GIを意識しましょう。また炭水化物を減らす代わりに、たんぱく質はたっぷりとってOK。食事の満足度も上げてくれます。

食事後も大切。血糖値の上昇を抑える食後のポイント

血糖値は食後から上がり始めて、2時間ほどで元の状態に戻ります。食後に以下のようなことをすることで、血糖値の上昇を抑えることにつながります。

・軽めの運動をする
・お風呂に入る
・質の良い睡眠をとる

食後1時間〜1時間半後に軽めの運動をすることで、血糖値を抑えられます。また、食後30分〜1時間後の入浴は、血糖値の上昇を抑える効果があるといわれています。そして質の高い睡眠は、血糖値の上昇を抑えるだけでなく、健康を維持するうえでも重要となります。

3. 血糖値を下げる食べ物・飲み物は

何を口にするかで、血糖値が上がるか下がるかが決まります。つまり、食べ物や飲み物に気を使うことで、上がった血糖値を下げることが可能です。

血糖値を下げる食材に共通しているのは、食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富に入っていることです。これらの栄養素は糖質の吸収を穏やかにし、血糖値を下げる効果が期待できます。

以下では、血糖値を下げる栄養素が含まれている食べ物や飲み物をご紹介します。

血糖値を下げる食べ物

血糖値を下げる食べ物には以下のようなものがあります。

・玉ねぎ
・トマト
・オクラ
・緑黄色野菜
・豆類全般
・ナッツ類
・ダークチョコレート
・ギリシャヨーグルト
・魚介類
・海藻類
・きのこ類

上記の食材は食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。毎日の食材はこれらのおかずを多めに準備するといいでしょう。その分、炭水化物が含まれているご飯などの主食を少なめにすることで、血糖値の上昇を抑えられます。

また、間食はスナック菓子やスイーツなどは控えめにして、ナッツ類やダークチョコ、ギリシャヨーグルトに変えることがおすすめです。

血糖値を下げる飲み物

血糖値を下げる飲み物は、砂糖が入っていないものを選ぶのが大切です。飲み物は吸収が早いため、糖質が含まれているとすぐに血糖値が上がります。

血糖値を飲み物で下げる場合、食物繊維、カフェイン、カテキン、ポリフェノールが含まれているものを選びましょう。これらの栄養分は血糖値の上昇を抑える働きが期待できます。

・お茶類
・コーヒー

砂糖が多く含まれているジュース類は避けて、上記の中から自分に合った飲み物を選ぶといいでしょう。ただし、紅茶やコーヒーに砂糖を入れては意味がありません。必ず無糖のものを選んでください。

野菜ジュースなども食物繊維が豊富で良いと思われるかもしれませんが、あまりおすすめできません。野菜とついているため健康に良さそうですが、苦味や青臭さを抑えるために糖質や塩分が多く含まれています。野菜ジュースで食物繊維を補うなら、糖質と塩分がどのくらい入っているかを必ずチェックしましょう。

4.血糖値が上がりづらい生活習慣とは?

血糖値が上がるのは、食事だけでなく普段の生活の中にも原因が潜んでいます。例えば、仕事が忙しくて運動をする機会が減ってはいませんか?もしくは、朝食を食べる時間がなかったり、コンビニ弁当や外食で済ませてはいませんか?

ここからは、血糖値が上がりづらくなる生活習慣をご紹介します。

食物繊維たっぷりの朝食をしっかり食べよう

朝食は、1日の活力をチャージするために必要不可欠です。ですが、時間がないとついつい朝食を抜いてしまいがちです。朝食を抜くとお腹が空いてしまい、昼食でドカ食いする可能性が高くなります。朝ごはんを抜いたのに昼食を食べすぎたら、結局血糖値は高くなってしまいます。

そこで、今回ご紹介した食物繊維たっぷりの食べ物を中心に、バランスの取れた朝食を心がけましょう。しっかりと朝食を取ることで昼食を食べすぎることがなくなり、血糖値の急激な上昇を防げます。

食後は軽く運動をしよう

食後には、軽めの運動をすることで血糖値の上昇を防ぐ効果が期待できます。運動は食事と並んで糖尿病の治療に効果的な方法です。

有酸素運動をすることで筋肉への血流が良くなります。ブドウ糖がスムーズに細胞内に取り込まれるため、インスリンの働きが改善されるのです。また、筋トレで筋肉をつけることでもインスリンの効果が高まり、血糖値が下がりやすくなります。

血糖値が高いということは、メタボの恐れがあります。運動を続けることで肥満解消にもつながりますし、高血圧や脂質異常症などの改善にも効果的です。血糖値を下げるだけでなく、生活習慣病予防のためにも、食後の運動をおすすめします。

5.まとめ

血糖値が上がったまま放置するのはとても危険です。肥満の原因になるだけでなく、糖尿病などの様々な病気を引き起こす原因にもなります。

血糖値の上昇を抑えるには、食事を変えることと運動が重要となります。食事では食物繊維や低GI食品を選ぶようにしましょう。さらに、普段から軽めの筋トレや有酸素運動を続けることで、血糖値の上昇を抑えられます。

この記事の監修者

医学博士

大塚 亮

おおつか医院院長。医学博士。循環器専門医。
オーソモレキュラー・ニュートリションドクター(OND)認定医。大阪市立大学医学部附属病院循環器内科、ニューヨーク州 Columbia University Irving Medical Center, NewYork–Presbyterian Hospital、西宮渡辺心臓脳・血管センター勤務を経て、おおつか医院院長に就任。日本内科学会・日本循環器学会・日本抗加齢医学会に所属。

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