2021.05.09
【お医者さんのコラム】糖をデトックスしてくれる食物繊維の力
健康でスリムな体を目指すなら、糖のデトックスがおすすめです。
食べてしまった糖質を吸収せずに、体外に排出できれば血糖値の急上昇が避けられます。
では、どうすれば、余分な糖を体外に排出できるでしょうか?
そのカギを握るのが「食物繊維」です。
食物繊維はお通じに良いということをご存じの方は多いでしょう。
では、具体的に食物繊維は、食べたものをどうやって体外に出すのでしょうか?
食物繊維には水に溶けやすい水溶性と、水に溶けにくい不溶性があります。
これら2つは体内で違う働きをしています。
食事からとった食物繊維は、まず胃に入って長くとどまります。
水溶性食物繊維は水に溶けて粘りが出るため、腸内の余分な栄養素を吸着しながらゆっくり時間をかけて腸を移動していきます。
そして小腸に達すると粘りがさらに増し、糖の吸収をブロックするため血糖値の上昇をよりゆるやかにしてくれます。
また、大腸では、腸内細菌のエサとなり腸内の善玉菌を増やす働きもしてくれるのです。
一方、不溶性食物繊維は、水分でふくらんでカサが増し、腸のぜん動運動を促し、便を出しやすくしてくれます。スピーディーに小腸へと移動するため、満腹シグナルとも呼ばれる「ペプチドYY」というホルモンが早期に分泌され、食べ過ぎを抑制してくれます。
水溶性食物繊維、不溶性食物繊維それぞれが腸で活躍することにより
余分な糖が体内に吸収されずに体外に排出され、
血糖値をコントロールしてくれるというわけです。
ちなみに、水溶性食物繊維は、わかめ、こんぶなどの海藻類や、納豆、大豆などの豆類、大麦などに多く含まれているといわれます。
また、不溶性食物繊維は、ごぼう、かぼちゃ、ブロッコリーなどご家庭でおなじみの野菜類やきのこ類に多く含まれています。
両方の食材を組み合わせてとることで、糖のデトックス効果が期待できます。
この記事の監修者
大塚 亮
おおつか医院院長。医学博士。循環器専門医。オーソモレキュラー・ニュートリションドクター(OND)認定医。大阪市立大学医学部附属病院循環器内科、ニューヨーク州 Columbia University Irving Medical Center, NewYork–Presbyterian Hospital、西宮渡辺心臓脳・血管センター勤務を経て、おおつか医院院長に就任。日本内科学会・日本循環器学会・日本抗加齢医学会に所属。 著書:「一生健康サラダ」「脱うつレシピ」「免疫力を上げるレシピ」など。詳細はこちら |
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