この記事の監修者
医学博士 大塚 亮
2023.01.26
【お医者さんのコラム】血管も老化する?若々しく長生きするためのキーワードは「抗糖化」
年を重ねると、体力の衰えをはじめ若い頃と比べて老いを感じることがあるでしょう。ですが加齢だけではなく、普段の食事や生活習慣でも老いを加速させてしまうことがあります。
動脈の変化は中高年になってから起こるのではなく、10代から徐々に進み、30代になると動脈硬化(動脈の壁が厚くなったり、硬くなったりして働きが悪くなること)が表れるように。
動脈硬化が進むのには、多くの要素が関与していると考えられます。例えば、「糖化」によって形成されたAGEs(終末糖化産物)。これのきっかけとなるのは、特に「血糖値が高い状態が続く」ことによって起こる代謝異常です。
「糖化」とは?
「糖化」とは、たんぱく質や脂質が糖と結びつくこと。血液中に余分な糖分があると体内のたんぱく質や脂質と結びつき、AGEsを作り出します。例えば卵焼きを作った時、熱により含まれている砂糖が卵のたんぱく質と結びついて変性してこんがりと焦げがつく、これがAGEsです。つまり生卵はAGEsが少なく、甘い卵焼きはAGEsが多いといえます。
「糖化」が体に及ぼす影響
食べ物からの摂取や体内で形成されたAGEsは、肌や脳、あらゆる組織に沈着するようになります。一度沈着したAGEsはなかなか代謝されません。肌へ沈着すれば弾力と透明感を失い、しみやくすみができやすく年齢よりぐんと老けた印象に…脳へ沈着すれば、認知機能の低下に影響します。さらにAGEsによって血管が傷つくと、血管壁で炎症が起こり、動脈の硬化、肥厚をひきおこす危険性が高まります。
若々しく、長生きするためには、できるだけ糖化を起こさないことが大切。食べすぎや糖分のとりすぎに十分気をつけましょう。
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この記事の監修者
医学博士
大塚 亮
おおつか医院院長。医学博士。循環器専門医。
オーソモレキュラー・ニュートリションドクター(OND)認定医。大阪市立大学医学部附属病院循環器内科、ニューヨーク州 Columbia University Irving Medical Center, NewYork–Presbyterian Hospital、西宮渡辺心臓脳・血管センター勤務を経て、おおつか医院院長に就任。日本内科学会・日本循環器学会・日本抗加齢医学会に所属。
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