この記事の監修者
医学博士 大塚 亮
2022.11.13
【お医者さんのコラム】飲酒は?外食は?今からでも知っておきたい!高血圧に関するQ&A
「減塩を心がける」や「その他栄養素を積極的にとる」以外にも高血圧について知りたいこと、まだまだたくさんありますよね。今回は高血圧に関するあらゆる質問にお答えしました。これからの生活にぜひ役立ててください。
高血圧に関するQ&A
Q:高血圧の自覚症状にはどんなものがある?
A:初期段階では自覚症状がほとんどないといわれています。ただ、放置すると健康リスクを引き起こすおそれがあるので、注意が必要です。
Q:高血圧は遺伝する?
A:高血圧になりやすい体質は遺伝することがあります。両親のいずれかに高血圧があると、子供が発症するリスクは高くなり、その確率は50~70%といわれています。ただ食事や運動などの生活習慣やストレスの有無などの家庭環境も大きく影響するため、防ぐことは可能です。
Q:飲酒は控えたほうがいいの?
A:アルコールをとりすぎると血圧を上げる作用があるため、適量の心がけを。週に何日かは飲まない日も作るようにしましょう。またお酒を飲むと味の濃いものや脂っこいものが食べたくなるため、おつまみや食事の内容には気を付けてください。
Q:外食したいときはどうしたらいい?
A:外食は味付けが濃いものが多いため、塩分摂取量が増えがち。例えばめん類なら、塩分量の多いスープはできるだけ残して。全部残すと2~3g減塩することができます。ほかにも漬物は食べ過ぎない、塩分量の多い料理を知って控える、味付けを確かめてから調味料を使うなども意識しましょう。塩分量が多い食事をとったら翌日は調整するなど、無理をしないこともストレスなく減塩を続けるコツです。
Q:家の食事で気を付けることは?
A:外食を控えて家で食事をする機会を増やすだけでも、減塩に効果的。ふだん食べているもののうち自分で調整できる食塩は約4割で、残りの約6割は食品中に含まれる食塩だといわれています。
保存性を高めるためなどの理由で塩分量が多い加工食品ではなく、できるだけ生鮮食品を使い、味付けを工夫することがポイントです。みそ汁などの汁ものは、野菜などの具を多くして、汁けを減らしましょう。食べごたえもアップし、よくかむことで満足感も得られます。
よく使う調味料に含まれる塩分量を把握する、計量の習慣をつける、調味料はかけずにつけて食べるなども試してください。レモン、ゆず、すだち、こしょうや香辛料などの薬味を活用するのも有効です。少しずつでも続けることで味覚が変化して、薄味でもおいしく感じられるようになるはずです。
Q:ストレスと高血圧の関係は?
A:自律神経の働きに影響を与えるストレスは、高血圧の大敵。ストレスには気温や湿度などの気候条件、疲労や緊張、睡眠不足などによる「肉体的ストレス」と、さまざまな悩みや怒り、興奮、精神的ショックなどによる「心理的ストレス」があります。どちらの場合も、ストレスを受けると血圧が一時的に上がりますが、これはストレスに対抗するための防御反応といえます。その状態が長期間続くと、ストレスに弱いタイプの人は、慢性的な高血圧の状態になりやすいといわれています。疲れているのに眠れない、食欲がないなどの兆候があったら、ストレッチなどの軽い運動や息抜きをしてストレスを緩和させましょう。
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この記事の監修者
医学博士
大塚 亮
おおつか医院院長。医学博士。循環器専門医。
オーソモレキュラー・ニュートリションドクター(OND)認定医。大阪市立大学医学部附属病院循環器内科、ニューヨーク州 Columbia University Irving Medical Center, NewYork–Presbyterian Hospital、西宮渡辺心臓脳・血管センター勤務を経て、おおつか医院院長に就任。日本内科学会・日本循環器学会・日本抗加齢医学会に所属。
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