この記事の監修者
医学博士 大塚 亮
2022.04.19
【お医者さんのコラム】腸が不調な原因は2パターンあり!?簡単セルフチェックと改善法
日本では10人に1人が「過敏性腸症候群」といわれていて、繰り返す腹痛、下痢、便秘に悩まされています。
不調の原因パターン1 大腸が整っていない
過敏性腸症候群の原因の大半は大腸内の腸内フローラの乱れ。発酵食品や食物繊維を多く含んだ食事を心がけたり、適度な運動を日常生活に取り入れたりしてみましょう。
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不調の原因パターン2 小腸が整っていない
元々小腸の検査はしづらく、下痢などの不調を起こすのは大腸が原因とされてきました。しかし、カプセル内視鏡が発達し、昨今、小腸が原因の疾患(SIBO:小腸内細菌増殖症)が増えていることが分かりました。SIBOは、糖質のとりすぎにより、小腸内で細菌が異常増殖して、大量のガスを発生したり、下痢・便秘・腹痛・肌荒れ・鬱などさまざまな症状を引き起こします。
一般的に広まっている「腸活」とは大腸を整えること(大腸活)。ヨーグルトや納豆など腸にいいといわれているものを意識して食べているのになかなか改善しない…そんなあなたに必要なのは、もしかすると「小腸活」なのかもしれません。
10問で簡単チェック!あなたに必要なのは「小腸活」?
腸活を頑張っているけどあまり効果が見られないという方は、ぜひ下記のチェックリストを参考にしてみてください。
①少ししか食べてなくてもお腹が張ってしんどい
②げっぷが増えた
③下痢気味または便秘気味。もしくは下痢・便秘を繰り返す
④頻繁にお腹がギュルギュル鳴ったり、腹痛が起きたりしやすい
⑤おならがよく出るようになり、最近においが臭くなった
⑥お腹に良かれと思って食物繊維が多い食品を食べると逆にお腹の症状が悪化する
⑦牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品を摂取するとおなかの調子が悪くなる
⑧パスタなどのめん類、パン、パンケーキ、お好み焼きなど小麦製品を食べるとおなかの調子が悪くなる。
⑨ほかにも腹痛や下痢などを起こしやすい食品が多数ある(納豆、きのこ類、りんご、玉ねぎなど)
⑩お腹が調子悪くなる前に、食あたりで急性腸炎になったことがある。
◎①~⑤で2つ以上当てはまった方は「SIBO(小腸内細菌増殖症)」の可能性があります。また、おなかの調子が悪く、⑥~⑩が1つでもあるならSIBOの可能性が高いです。
つまり「小腸活」の方が適している可能性が高いといえます。
「パン・パスタ→米」へ切り替えるだけでも効果あり?小腸活タイプは低FODMAP食にトライ
先ほどのチェックリストで「SIBO(小腸内細菌増殖症)」の可能性がある方や、通常の腸活で効果がみられない方は、小腸では吸収されにくい「オリゴ糖」「二糖類」「単糖類」「ポリオール」といった発酵性の糖質を控える「低FODMAP食」を3週間ほど続けてみましょう。次第にお腹の具合が整ってくるはずです。
難しいと感じる人は、低FODMAP食の中でも合わない人が多い「小麦を使ったパンやパスタ」を控え、「米」に換えることから始めてみてください。
ただここで気を付けてほしいのが、低FODMAP食は食事内容を制限するものではなく、自分の不調の原因を探すことが目的ということです。自分に合う食材を見つけて、より健康的な食事を目指しましょう。
※低FODMAP食の食材例
米類、鶏肉、魚、オリーブ油、バター、卵など
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この記事の監修者
医学博士
大塚 亮
おおつか医院院長。医学博士。循環器専門医。
オーソモレキュラー・ニュートリションドクター(OND)認定医。大阪市立大学医学部附属病院循環器内科、ニューヨーク州 Columbia University Irving Medical Center, NewYork–Presbyterian Hospital、西宮渡辺心臓脳・血管センター勤務を経て、おおつか医院院長に就任。日本内科学会・日本循環器学会・日本抗加齢医学会に所属。
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