この記事の監修者
医学博士 大塚 亮
2023.03.14
【お医者さんのコラム】野菜を食べないことで起こる健康リスクとは
加齢や老化がすすむと、健康面が気になってきますよね。
疲れやすい、よく眠れないなど、若い頃と比べて体の変化を感じることが増えた方も多いと思います。
ところで、肉体の老化や加齢とともに健康を損ねてしまう主な原因はご存知ですか?
それは、体がサビる「酸化」と体が焦げる「糖化」といわれています。
■酸化:ストレス、喫煙、アルコール摂取、紫外線などの影響が原因
■糖化:糖質過多な食生活が主な原因
この「酸化」や「糖化」を防ぐもっとも簡単な方法は、毎日野菜を食べること。
野菜には抗酸化作用や糖化抑制作用のあるビタミン・ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれているのです。
野菜を食べる機会が少ないと、体にはどんな影響を及ぼすのでしょうか。
野菜不足がまねく体の不調を知っておきましょう。
活性酸素による酸化が進む
酸化とは、簡単にいうと体がさびること。酸化の原因は、体内で発生する活性酸素です。
活性酸素の除去に必要なのは、ビタミンやαリポ酸、ポリフェノールなどの抗酸化作用が強い栄養素。
体をさびから守るため、抗酸化作用が豊富な野菜をとるようにしましょう。
(例)
ビタミンA(βカロテン)・・・かんきつ類、スイカなど
αリポ酸・・・ブロッコリーなど
ポリフェノール・・・そら豆、りんご、さくらんぼ、ぶどうなど
体内で糖化が進み、血糖値の上昇などに影響する
糖化とは、簡単にいうと体が焦げること。糖化の原因は、ご飯、小麦粉、砂糖など糖質のとり過ぎです。糖質過多は、血糖値を上昇させるだけでなく、体内でたんぱく質と結びつきAGEs(たんぱく糖化最終生成物)を生成します。
糖化抑制作用のある食材をとって、体が焦げるのを防ぎましょう。
(例)
レモン、シナモン、クミン、りんご、バジル、黒こしょうなど
腸内に悪玉菌が増え、疲れやすくなる
免疫とは、病原菌やウイルスなどから体を守る機能のことをいいます。ヒトの免疫を司る細胞の6割は腸に集まっていることから、腸内環境のバランスが崩れると全身に影響を与えることが分かります。
腸に悪玉菌が増えると、腸内環境が悪化し、免疫機能が低下。体の調子を整えるためには、水溶性食物繊維を含む野菜や、発酵食品などを食べて、腸内の善玉菌を増やす必要があります。
(例)
水溶性食物繊維が多い食材・・・長いも、オクラ、ごぼう、海藻など
不溶性食物繊維が多い食材・・・エリンギ、きくらげ、しいたけ、豆類、ブロッコリー、しそ、ごまなど
発酵食品・・・みそ、塩麹、納豆、キムチ、チーズなど
筋肉・臓器・脳などの働きが低下する
筋肉や臓器、脳神経などを構成するために必要なのは、肉や魚などのたんぱく質です。
しかし、肉や魚だけとってもたんぱく質を代謝する酵素やビタミンB群がとれていないと、体の材料がつくられにくくなります。
また、鉄分吸収率を上げるビタミンや、造血や細胞新生に必要な栄養素などを一緒にとることで、すこやかな肉体をつくることができます。これらの栄養素の補給にも、野菜は欠かせない存在です。
(例)
さやえんどう、ブロッコリー、豆苗、豚肉、うなぎ、しめじ、まいたけ、モロヘイヤ、レバー、牛乳など
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ビタミン・ミネラル・食物繊維など、野菜には体を酸化から守ったり、糖化を抑制する栄養素が豊富です。
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この記事の監修者
医学博士
大塚 亮
おおつか医院院長。医学博士。循環器専門医。
オーソモレキュラー・ニュートリションドクター(OND)認定医。大阪市立大学医学部附属病院循環器内科、ニューヨーク州 Columbia University Irving Medical Center, NewYork–Presbyterian Hospital、西宮渡辺心臓脳・血管センター勤務を経て、おおつか医院院長に就任。日本内科学会・日本循環器学会・日本抗加齢医学会に所属。
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