この記事の監修者
薬剤師 坂井 幸子
2024.04.25
「老け顔」に見えるのは何が原因?ずっと若々しくいるためにできることとは
年齢をかさねると、体力の衰えを感じるだけでなく、肌にも変化を感じるように。
年を取ることは仕方なくても、せめて「老け顔」に見られないようにケアを頑張ろう!という方も多いのではないでしょうか。
加齢に伴い老化は進んでいきますが、そのスピードは人によってさまざま。
老けて見えてしまうポイントをおさえて、いつまでも若々しくいるためにできることを少しずつ始めていきましょう。
老け顔に見えてしまう原因は?
自分や他人の顔を見た時、シミやシワといった顔の変化で「老けたな…」と感じた経験のある方は少なくないでしょう。とくに、どのような顔の変化が老けを感じる原因となっているのでしょうか。
40代〜50代の1162人を対象としたとあるアンケートでは、以下のような結果が得られました。
老けを感じた原因 | 回答割合 |
目元の老化現象 | 40.7% |
顔のさまざまなたるみ | 31.0% |
シミ・くすみ | 9.8% |
その他 | 18.5% |
上記の結果から目元の変化によって老化を感じている方が多く、目元の印象が見た目年齢に与える影響が大きいと考えられるでしょう。
老け顔に見えてしまう5つの特徴
老け顔に見える特徴としては、主に以下の5つがあげられます。
• シミがある
• シワが目立つ
• 肌がたるんでいる
• 肌の色がくすみ顔色が悪く見える
• 目の下にクマがある
年齢を重ねていくと、シミやシワ、目元のクマなどが気になるという方も多いのではないでしょうか。
すこしでも若く見えるようにするためにも、老け顔に見えてしまう5つの特徴について、それぞれの原因やなぜ老けて見えるのかを詳しく知っておきましょう。
シミがある
顔のシミには、そばかすのような遺伝によるものもありますが、紫外線によるものやホルモンバランスによるものなどもあります。
なかでも、とくに多いのが紫外線によるシミで、日光黒子や老人性色素斑とも呼ばれます。よく紫外線を浴びている方にできやすくなり、中年以降に増え始める方が多いです。
紫外線を浴びると、表皮の中でメラニンと呼ばれる色素が作られるのですが、通常、メラニンは約6週間で肌が新しく生まれ変わる「ターンオーバー」によって剥がれ落ちます。しかし、メラニンが作られる量が多すぎると、ターンオーバーによってメラニンが剥がれ落ちず、残ってしまったものがシミとなります。
なお、長い間紫外線を浴び続けると、メラニンを落とす力が弱まってしまうため、シミができやすくなります。
シワが目立つ
シワが目立ち始めると、老けを感じる方も少なくないでしょう。一言でシワといっても、実は原因によって、以下のようにさまざまな種類があります。
シワの種類 | 原因 |
乾燥小ジワ | 乾燥によるうるおい不足 |
たるみジワ | 真皮の機能の衰えによるコラーゲンの減少 |
紫外線ジワ | 紫外線の影響によるコラーゲンの減少 |
表情ジワ | 長い間同じ表情を繰り返し行った場合に肌に定着してできる |
紫外線がシミの原因になることを知っていても、シワの原因にもなる可能性があることを知らなかったという方もいるかもしれません。
また、年齢を重ねるにつれて、ほうれい線が気になる方も多いですが、ほうれい線もたるみジワの一種とされており、加齢によって真皮が衰えることが原因です。
肌がたるんでいる
前述のアンケート結果からも、たるみによって老化を感じている方は多いことがわかります。
たるみの原因としては、主に以下の3つが考えられます。
• 肌のうるおいやコラーゲンの減少
• 筋肉や骨の衰え
• 脂肪
上記は加齢が原因で起こる場合もありますが、顔の筋肉が衰えないようにストレッチやマッサージをする、肌のうるおいを逃さないようたっぷり保湿をするといった対策で、改善が期待できるでしょう。
とくに、目の下がたるんでいると、老けて見えるだけでなく、疲れている印象を与えることにつながってしまうため、意識的に対策することがおすすめです。
肌の色がくすみ顔色が悪く見える
肌の色がくすんでいると、顔色が悪く見えることがあります。実は、肌のくすみにも、シワと同様にさまざまな種類があります。
くすみの種類 | 原因 |
黄くすみ | 肌の糖化 |
青くすみ | 血行不良 |
グレーくすみ | ターンオーバーの乱れ |
茶くすみ | 紫外線や摩擦などの肌への刺激による色素沈着 |
まずは、くすみの原因を把握するためにも、自分の肌が何色にくすんでいるかを確認してみてください。
たとえば、黄くすみの場合には体内のたんぱく質や脂肪が糖と結びつく「糖化」が原因と考えられ、糖質の多いものをよく食べる方や、運動習慣がない方に起こりやすいです。
また、シミやシワなどと同じく、くすみの原因としても紫外線があげられ、日焼け止めや日傘などの紫外線対策は非常に重要です。
目の下にクマがある
目の下のクマも、顔が疲れて見え、老け顔になる要因の一つです。クマができる原因もさまざまで、クマの色味によっていくつかの種類に分けられます。
クマの種類 | 原因 |
青クマ | ストレスや睡眠不足による血行不良 |
黒クマ | 目の下の皮膚や脂肪のたるみ |
茶クマ | 紫外線や摩擦などの肌の刺激による色素沈着 |
赤クマ | 筋肉の衰え |
クマと聞くと、目の下が青色になったクマをイメージされる方が多く、睡眠不足が原因と考えるかもしれません。しかし、睡眠不足のほかに、皮膚のたるみや肌への刺激によってクマが表れることもあるため、原因に合わせた対策をすることが大切です。
目指せ「若見え」!肌を美しく保つための方法
まずは、うるおい不足や紫外線への対策から始めてみましょう。
また、クマやくすみの原因となる血行不良を改善するうえで、血行を促すことも大切です。以下では、肌を美しく保つための方法を詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
正しいスキンケアと丁寧な保湿
肌のうるおい、肌の調子をサポートするコラーゲン不足を解消するには、正しいスキンケアと丁寧な保湿が重要です。なお、スキンケアをする際には、以下のような手順で取り組むようにしましょう。
1.手を洗い、清潔な状態にする
2.クレンジングでメイクを落とす
3.洗顔料による洗顔で汚れを落とす
4.化粧水で肌にうるおいを与える
5.美容液で保湿する
6.乳液やクリームで肌のうるおいを閉じ込める
メイクをしていないときや、朝起きたばかりのときには、クレンジングはしなくてもよいので洗顔から始めましょう。クレンジングや洗顔の前には、手の汚れが肌につかないよう、手を洗ってから始めることが大切です。
正しい方法でスキンケアと丁寧な保湿を行い、肌のハリを取り戻し、たるみやシワ、シミの解消を目指しましょう。
紫外線対策の徹底
シミやシワ、くすみの原因となる紫外線は、若見えを目指すうえで大敵。白くてきれいな肌を保つだけでなく、さまざまなエイジングサインを防ぐうえでも、紫外線対策は欠かせません。
具体的には、以下のような対策が効果的です。
• 日焼け止めを使う
• 日傘や帽子・サングラスを使う
• 紫外線の強い時間帯の外出を控える
• できるだけ日陰にいる
基本的な紫外線対策としては、できるだけ太陽の光にあたらないことですが、天気のよい日にカーテンを開けたり、外出したりしてリフレッシュすることも大切です。外出の際は日焼け止めをしっかりと塗り、日傘や帽子などを活用しましょう。
ちなみに、晴れている日だけ紫外線対策をやっている方は要注意。くもりの日でも紫外線は地上まで届いているため、普段と同じように紫外線対策をするのが望ましいでしょう。
マッサージで血行促進
くすみやクマへの対策としては、血行を促進することが効果的。スキンケアルーティーンのなかに顔のマッサージを取り入れてみましょう。
マッサージをするときには目元や頬など、顔のくすみが気になる箇所を、指の腹や指の関節を使って、気持ちいいくらいの強さでなぞるようにやってみてください。あまり強くこすりすぎると、摩擦によって肌に刺激を与えてしまい、肌トラブルの原因になるので力加減には注意しましょう。また、長時間のマッサージは避け、1回あたり1分程度にしておきましょう。
いつまでも若々しくあるために!健やかな肌を保つための生活習慣
ここまで美しい肌を保つためのスキンケアや紫外線対策、マッサージについて解説しましたが、外側からのケアだけでなく、生活習慣を改善することもポイントです。生活習慣を見直すことは、健やかな肌を保つだけでなく、身体の健康にもつながるため、食事や睡眠などの習慣改善にも取り組んでみるのがおすすめ。肌も身体も健康的な状態を目指していきましょう。
糖質の多い食事は控えめに
糖質の多い食事をとりすぎると、肌が糖化してしまい、くすみの原因になるため、糖質の多い食事は控えめにすべきです。以下のような食品は、糖質が多く含まれているので注意しましょう。
• お菓子
• 菓子パン
• 穀類
• 果物
とくに、小腹がすいたときについついお菓子を食べてしまったり、仕事や作業をしながらグミやアメなどをよく口にしたりする人は、意識的に間食を控えることが大切です。もしどうしてもやめられない方は、糖質オフのお菓子に置き換える方法なども試してみてくださいね。
また、健康のために果物を積極的に食べている方もいるかもしれませんが、さまざまな栄養素が含まれる果物も糖質の点では要注意。食後のデザートとして食べる程度であれば問題ありませんが、食べすぎると糖質のとりすぎになってしまいます。
質の高い睡眠を確保
睡眠時間が足りていないと、肌トラブルが起きやすくなると聞いたことがある方もいるかもしれませんが、若見えを目指すうえでは睡眠習慣も要チェック。質の高い睡眠をとることで、睡眠ホルモンや成長ホルモンの分泌を促し、肌のうるおいを保つだけでなく、ターンオーバーの促進にもつながります。
一方、睡眠不足の状態が続くと、血行不良によってクマやくすみの原因にもなります。睡眠の質を高めるには、以下のような対策がおすすめです。
• 激しい運動は就寝の3時間前までにする
• 食事は就寝の2~3時間前までに済ます
• 寝る前はカフェインを控える
• 寝る前に煙草を吸わない
• 寝る1時間前にはスマートフォンやパソコンを使わない
姿勢を整える
肌と姿勢は一見関係がないようにも思えますが、姿勢を整えることは、血流促進や代謝の向上につながることから肌の健康状態にも影響します。さらに正しい姿勢を心がけると、睡眠中の寝返りもしやすくなり、間接的に睡眠習慣の改善にもなるでしょう。
また、姿勢がよい人と悪い人を比べてみると、姿勢がよい人の方が若々しいイメージを持つ方が多いように、姿勢の美しさは見た目の印象を大きく左右する要素です。
まとめ
シミやシワ、たるみをはじめ、顔が老けて見える原因にはさまざまなものがありますが、なぜそれらが表れるのかを理解したうえで、適切な対策をすることがポイントです。
もちろん、加齢によって表れるエイジングサインを完全に防ぐことはできませんが、日頃のスキンケアや紫外線対策、その他の生活習慣などによって、すこしでも若く見せることは可能です。最近、鏡を見ると老けたなと感じる方は、ぜひできることから対策に取り組んでみてくださいね。
この記事の監修者
薬剤師
坂井 幸子
薬剤師。病気の「治療」と「予防」両方大切だと考え、健康と食物の関係を日々研究。
生活の中で体に必要な栄養を補い、正しいコンディションで過ごせるように栄養学の観点から健康と美容をサポートすることを得意としている。
記事に関連するタグ
同じカテゴリーのコラム
人気のコラムランキング