この記事の監修者
医学博士 大塚 亮
2024.09.22
【お医者さんのコラム】バランスのいい朝ごはんで1日の血糖値がゆるやかに!朝ごはんで痩せ体質を目指そう
多くの方が一度は「ダイエット」に取り組んだことがあるかと思います。
その時はどんな方法を実践していたでしょうか。
食べる量を減らす、食事を抜く…などいろんな方法がありますよね。
もちろん食べ過ぎは肥満の原因になってしまうので、食事量のコントロールをすることは大切です。
ですが、「食事を抜く」のも要注意。特に朝ごはんを食べるか・食べないかで血糖値にも影響を与えます。
ある年の国民健康栄養調査で、朝ごはんを食べない人は食べる人に比べ、肥満や糖尿病リスクが高いというデータがあります。
これは「血糖値スパイク」による食後血糖値の急上昇によるもの。「血糖値スパイク」は肥満の原因になるだけでなく、さまざまな健康リスクを高める可能性があります。
起床後何も食べずに空腹が長時間続いたあとに食べた糖質は、エネルギーを体内に取り込もうとして食後の血糖値を急上昇させてしまうのです。
血糖値を急上昇させないために、糖質をとらなければいいのでは?と思う方もいるかもしれませんが、これはNG。
糖質自体は人間の体にとってなくてはならない大切なエネルギー源なので、まったくとらないというわけにはいかないのです。
糖質は「適度」にとることが大切で、とった時に血糖値のコントロールができていれば高血糖の状態が長引くことは避けられます。
血糖値をコントロールするなら、朝ごはんに「食物繊維」をたっぷりと!
朝ごはんで食物繊維をとると、食後血糖値の上昇がゆるやかになるだけでなく、その作用は昼ごはんのあとまで続きます。
これは「セカンドミール効果」と呼ばれ、食物繊維が食べた糖質をコントロールするのに重要な役割を果たしています。
食物繊維には、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類がありますが、それぞれ働きが異なるのでどちらもバランスよく取り入れるのがポイント。
■水溶性食物繊維:粘性を増し、糖を絡めとる。
■不溶性食物繊維:カサを増して、糖の吸収を遅らせる
また、摂取量の目安としては、下記を目標にしてみましょう。
■食物繊維:1日20g前後(朝5g以上)
■糖質:1日100g前後(朝30~50g)
昼ご飯の時間帯は、忙しくてなかなかゆっくり食べる時間がとれなかったり、栄養バランスを考慮した食事を準備するのが難しいという方も多いでしょう。忙しくても簡単に食べられるものといえば、おにぎり・サンドイッチ・麺類など糖質の多い炭水化物に偏りがち。
ですが、朝ごはんで食物繊維をしっかりとっておくことで、昼ご飯に糖質過多の食事をしたとしても、セカンドミール効果で血糖値の急上昇が防げるのです。
朝ごはんの強力サポーター!食物繊維のすごい力
食物繊維の働きは、血糖値コントロールだけではありません。
その他にも肥満を防ぐためにさまざまな働きをしています。
腸内でカサを増すことで便通を促す、余分な糖質や脂質・有害物質などを体外に排出するといった働きも。
また、食物繊維は善玉菌により短鎖脂肪酸に替えられると、腸内環境を整え、免疫をサポートするなどの働きがあるホルモン「インクレチン」を増やします。つまり、自然と痩せやすい体質へと変えてくれるのです。
食物繊維は、野菜や海藻類・豆類などに多く含まれています。
水溶性食物繊維・不溶性食物繊維をバランスよく取り入れ、スッキリとした体を手に入れましょう。
関連書籍
お医者さんが考えた痩せる朝ごはん
【ダイエットの新常識】朝食をしっかり取ることで、1日の血糖値をコントロール!
忙しい朝でもパパっと作れるレシピ71品掲載。現役医師によるダイエットのコツや太るメカニズムの解説つき。
この記事の監修者
医学博士
大塚 亮
おおつか医院院長。医学博士。循環器専門医。
オーソモレキュラー・ニュートリションドクター(OND)認定医。大阪市立大学医学部附属病院循環器内科、ニューヨーク州 Columbia University Irving Medical Center, NewYork–Presbyterian Hospital、西宮渡辺心臓脳・血管センター勤務を経て、おおつか医院院長に就任。日本内科学会・日本循環器学会・日本抗加齢医学会に所属。
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