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医師・専門家監修

この記事の監修者

薬剤師 坂井 幸子

2024.03.21

中性脂肪の数値はどこからが危険?どこなら安心?数値が変動する原因と対策も詳しく解説

「健康診断で中性脂肪の高さを指摘された」
「ギリギリ基準値内だったけど、これはセーフ?」
「でも今のところ特に何もないから放置でもいい?」
健康診断などの検査は、病気を見つけることだけが目的ではありません。
今の自分自身がどのくらい元気なのか、何かしら健康リスクの可能性がないかを知る手段でもあります。
中性脂肪の数値が基準値を超えていた、または低すぎた、一応基準値内だけどこのままだとまずいかも?という方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。

目次

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中性脂肪はどのくらいなら正常範囲?

健康診断の結果で、中性脂肪の数値を見てもどのくらいの数値が正常範囲なのかが分からない方も少なくないでしょう。ここでは、中性脂肪の数値の正常範囲をご紹介します。
また、正常範囲のほかに、中性脂肪とはどんなものなのか、中性脂肪が高くなる原因、などについても詳しく解説します。中性脂肪の数値を見る際の参考にしてみてください。

そもそも中性脂肪とは

中性脂肪とは、体内に存在する脂質の1つで、いわゆる「体脂肪」の多くを占めている物質です。中性脂肪と聞くとネガティブなイメージを持たれる方もいますが、実は、中性脂肪には以下のような役割があります。

• 生命活動の上で重要なエネルギー源になる
• 外部からの衝撃を緩和して臓器を守る
• 脂溶性ビタミンや必須脂肪酸を吸収しやすくなる
• 体脂肪として蓄えられることで、体を寒さから守る

中性脂肪は、決して悪い物質なのではなく、体にとってなくてはならない物質なのです。

中性脂肪数値の基準値

健康診断の際に気になる中性脂肪の数値ですが、中性脂肪数値の基準値はどのくらいなのでしょうか。中性脂肪の数値を以下の表にまとめたので、健康診断の結果の数値と見比べてみてください。

状態中性脂肪(mg/dL)
異常29以下
基準範囲30~149
要注意150~499
異常500以上
参照:日本人間ドック協会「検査表の見方」

日本人間ドック学会によると、中性脂肪の基準値は30〜149mg/dLと示されています。上記の表からもわかるとおり、この基準値よりも数値が大きい場合だけでなく、少ない場合にも注意した方がよいでしょう。

中性脂肪値対策を始めるべきタイミング

目安として、中性脂肪が150mg/dL以上の数値になると、生活習慣病の可能性が指摘されます。
そのため、中性脂肪が上がってから対策するよりも、中性脂肪が基準範囲に収まっている状態で対策を始めた方が、健康リスクを減らせます。基準範囲ではあるものの、年々数値が上がっている方、健康面が気になる方などは、早いうちから中性脂肪値の対策を始めてみましょう。

中性脂肪とあわせて確認しておきたいコレステロール値

健康診断の結果で、中性脂肪とあわせて確認しておきたい数値として、中性脂肪と同じ脂質であるコレステロール値があります。中性脂肪は体のエネルギー源になるのに対して、コレステロールは細胞膜やホルモン、胆汁酸を作るための材料となる脂質です。
また、コレステロール値の基準範囲は以下の表のようになっています。

コレステロールの種類基準範囲(mg/dL)
HDLコレステロール(善玉)40以上
LDLコレステロール(悪玉)60~119
Non-HDLコレステロール90~149
参照:日本人間ドック学会

中性脂肪とコレステロールは、それぞれ役割が異なるものの、増えすぎてしまうと健康リスクが高まります。そのため、健康診断の結果を確認する際には、中性脂肪だけではなく、コレステロール値も確認してみましょう。

中性脂肪数値が高くなる原因

中性脂肪を下げる対策をする前に、数値が高くなる原因についても知っておきましょう。主な原因としては、食べすぎや運動不足などがあげられるため、まずは普段の生活を見直すことから始めましょう。
次に、中性脂肪が高くなる5つの原因について解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

脂質や糖質のとり過ぎ

中性脂肪が高くなる原因として、脂質や糖質のとり過ぎがあげられます。普段から唐揚げや天ぷらなどの油もの、糖質の多い食事やお酒、甘いお菓子やソフトドリンクなどの砂糖が多く含まれた食べ物などの食材をよく食べたり、飲んだりしている方は、要注意。

家事や仕事の合間に間食の習慣があるという方で、中性脂肪が気になる時は、脂質や糖質を抑えたおやつに置き換えることをおすすめします。特に、ガムやするめのように、よく噛んで食べるおやつであれば、糖質や甘さがなくても満足感を得られやすいでしょう。

アルコールのとり過ぎ

一般的に、アルコールを飲むと肝臓で代謝されますが、過度にアルコールを摂取すると肝臓で中性脂肪の合成が進み、必要以上に作られ過ぎてしまうため、飲み過ぎないように注意しましょう。

適度なアルコールの摂取量の目安として、純アルコール量にして1日あたり25gまで抑えることが推奨されています。アルコール度数が5%のビール500mlであれば、純アルコール量が20gであることを参考に、お酒を飲み過ぎていないかチェックしてみましょう。

喫煙

「喫煙者は、非喫煙者よりも内臓脂肪が高い傾向にある」という研究結果があるほど、喫煙は中性脂肪の数値に影響しています。これは、喫煙をすることによって、中性脂肪の合成を促進したり、脂質や糖質の代謝が悪くなることが原因だと考えられます。
さらに、中性脂肪が高い状態で喫煙をしてしまうと、血管が詰まりやすくなり、さまざまな健康リスクが高まるという悪影響もあるため、1日あたりの量に関わらず、喫煙習慣がある場合には禁煙を目指してみましょう。

運動不足

体にとって重要なエネルギー源である中性脂肪は、運動によって消費されることから、日常的に運動不足の方ほど、中性脂肪の数値が高くなりやすい傾向にあります。消費したエネルギーよりも、摂取したエネルギーの方が大きくなってしまい、余ったエネルギーが中性脂肪になるという仕組みです。
普段なかなか運動をする機会がないという方は、いつもより遠くのスーパーに買い物に出かけたり、毎日決まった時間に軽いストレッチをしたりしてみましょう。日常生活のなかに運動の機会をつくれるよう、意識的に工夫していくことがポイントです。

加齢

中性脂肪の数値は、男女ともに加齢によって上昇する傾向があります。基本的には男性の方が中性脂肪が高くなりやすいのですが、実は50代を超えると男性と女性の中性脂肪の差が縮まると言われており、女性の場合は閉経によって女性ホルモンのエストロゲンが減り、中性脂肪が増えやすくなるとされています。
もともと女性の方が中性脂肪が少ないのは、脂質の代謝に関わるエストロゲンが多いためとなっており、閉経によるエストロゲン減少にともない、男女間における中性脂肪数値の差が小さくなるという仕組みです。

「中性脂肪が高い」というのはどんな状態?

中性脂肪の基準範囲は30〜149mg/dLであるため、中性脂肪が高い状態とは、中性脂肪の数値が150mg/dL以上になっている状態です。健康診断の結果で中性脂肪の数値が150mg/dL以上である場合には、中性脂肪を減らすような対策や生活習慣の改善などを始めましょう。

中性脂肪が高いままだと体はどうなる?

中性脂肪の数値が高いまま放置すると、体にさまざまな健康リスクが起こります。たとえば、血液中の中性脂肪が多くなって血管が詰まりやすくなるのは、中性脂肪が高いことによる弊害の一つです。そのほかに、肥満や生活習慣病などのリスクも高まることから、健康診断の結果を見た際に、ただ「中性脂肪が高かった」というだけでなく、さまざまな健康リスクがあることも覚えておきましょう。

中性脂肪は低すぎるのもNG

中性脂肪は、数値が高い場合に目が行きがちですが、実は数値が低すぎるのもNGです。基準範囲である30〜149mg/dLをはずれ、29mg/dL以下の数値になってしまう方は注意してください。
中性脂肪が低くなると、エネルギー不足によって疲れやすくなったり、疲労が回復しづらくなったりするほか、脂溶性ビタミンや必須脂肪酸を吸収しづらくなるなどの影響もあるでしょう。中性脂肪が低すぎる場合、食事制限や過度な運動によって、摂取カロリーよりも消費カロリーが多くなっていることが考えられますので、食生活を見直してみることをおすすめします。

通常よりも数値が高かったあなたへ!中性脂肪を減らすために今日から取り組みたい対策

続いて、すぐにでも取り組める中性脂肪対策について紹介しますので、高い数値が気になる方は試してみてください。

無意識に食事が偏っていませんか?なるべく控えたい食べ物

前述のとおり、脂質や糖質が多く含まれた食事は、中性脂肪の数値が高くなる主な原因の一つです。たとえば、脂質が多い食材は、牛肉や豚肉の脂身の多い部位、バターなど。糖質が多い食材は、甘いお菓子やソフトドリンク、はちみつ、炭水化物、果物などがあげられます。
ただし、肉類や炭水化物、果物などはいずれも体を作る上で重要な栄養素も多く含んでいるので、適量食べるようにしましょう。

数値改善のために栄養バランスを整える!積極的にとりたい食べ物

中性脂肪の数値を下げるうえでは、脂質や糖質が多い食材を控えるのとあわせて、緑黄色野菜や青魚などを積極的にとることも大切です。とくに、青魚に多く含まれるDHAやEPAには、血中中性脂肪を減らすはたらきがあります。
魚の下処理や調理が面倒に感じる方は、缶詰やレトルトパウチなどを活用して、日々の食卓に魚料理を一品追加するだけでも効果があるでしょう。まずは無理のない範囲から食生活を見直していくことが、中性脂肪の数値を改善するための第一歩となります。

体に負担をかけることはNG!見直すべき生活習慣

中性脂肪の数値が高いのは、知らず知らずのうちに、体に負担がかかるような生活習慣が身についているサインかもしれません。飲酒や喫煙、ストレスなどの面から、生活習慣を見直してみると、結果的に中性脂肪の数値を減らすことにつながる可能性も高いです。
以下では、中性脂肪を下げるために見直したい生活習慣について解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

適度な運動を日常的に行う

前述のとおり、中性脂肪が増える原因は、運動不足によってエネルギー消費が足りていないことです。そのため、適度な運動習慣を身につけ、日常的に消費するエネルギー量を増やしてあげると、中性脂肪を減らすことにつながるでしょう。
適度な運動の例として、ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動を、1日あたり合計30分以上行うようにできると望ましいです。もちろん理想としては毎日の習慣にできるとよいですが、難しい場合は週3日以上の運動を目指してみてください。

飲酒や喫煙量を減らす

お酒やたばこは中性脂肪を高める原因となるため、飲酒や喫煙の量には注意すべきです。いきなり禁酒や禁煙をしようとしても続かないことも多いので、まずは量を減らすことから始めるのがおすすめです。現在の飲酒や喫煙の量を把握したうえで半分や1/3など、減らす目標を立ててみてもよいですね。
多くの方がご存知のとおり、飲酒や喫煙は中性脂肪を高める以外の健康リスクにも影響するので、健康のためにもお酒やたばこの量を減らすことはとても大切です。

自分に合ったストレス発散法をいくつか持っておく

ストレスがたまってしまうと、血糖値を上げるはたらきが作用しやすくなるほか、ストレスによる食べすぎや飲みすぎが原因となって、中性脂肪が増えることにもつながりかねません。そのため、定期的にストレスを解消することは、中性脂肪を下げるうえで重要な対策と言えます。
好きな音楽や映画を楽しむ、バラエティ番組を見て笑うなど、自分に合ったストレス発散法をいくつか見つけておき、ストレスがたまったときに発散できるようにしておきましょう。

【中性脂肪を増やしたい方へ】なるべく控えたい食べ物・積極的にとりたい食べ物

中性脂肪が高い状態がよくないということは多くの方が知っているかと思いますが、実は数値が低すぎる状態も望ましくないため、基準値の下限である30 mg/dLを下回る方は中性脂肪を増やすような対策をすべきです。
具体的な対策としては、中性脂肪を高める食材を積極的にとることがあげられ、肉や魚、炭水化物、脂質の多い食べ物などを食事に取り入れるとよいでしょう。一方、野菜は脂質の吸収を抑えることから、野菜ばかりの食生活は控えるとよさそうです。

まとめ

中性脂肪の基準範囲は30〜149mg/dLであり、この範囲より低くても高くても、体への悪影響があります。中性脂肪が高いことに悩んでいる方は多いのですが、実は低い場合にも対策が必要となるので注意しましょう。
中性脂肪の数値は、日々の食事や運動、その他喫煙や飲酒などの生活習慣による影響を大きく受けるため、基準値からはずれている方はできるだけ早めに対策を講じることをおすすめします。

この記事の監修者

薬剤師

坂井 幸子

薬剤師。病気の「治療」と「予防」両方大切だと考え、健康と食物の関係を日々研究。
生活の中で体に必要な栄養を補い、正しいコンディションで過ごせるように栄養学の観点から健康と美容をサポートすることを得意としている。

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