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ドクター監修

この記事の監修者

薬剤師 坂井 幸子

2022.06.29

中性脂肪が高いのは食事で改善!今から食生活を見直そう

中性脂肪は本来、体内にエネルギーを貯蔵するという役割を担っています。しかしエネルギーとして使われなかった場合、多くは皮下脂肪となり肥満や病気の原因に。中性脂肪が高いからといって、自覚症状はほとんどありません。健康診断で中性脂肪が高いと診断されたら、早めに対策を行いましょう。

目次

1.中性脂肪が高くなるのはなぜ?

健康診断で「中性脂肪が高い」と指摘されている人も多いのではないでしょうか。中性脂肪は健康に悪いと知っているものの、具体的にどのような役割があり、多すぎるとなぜ悪影響があるのか知らない人もいるはずです。

一口に「脂肪」といっても、次のように種類と役割があります。

〇体脂肪
全身のいたるところに蓄えられている脂肪のことを言います。中性脂肪はもちろん、後述する皮下脂肪や内臓脂肪の総称です。

〇皮下脂肪
名前の通り皮膚の下に蓄えられている脂肪です。二の腕や太もも、下腹部などにつきやすく、指でつまむことができます。エネルギー源としても使われますが、皮下脂肪は衝撃を吸収するクッションの働きや、体温を保持する役割があります。

〇内臓脂肪
胃や肝臓といった内臓の周りにつく脂肪を言います。食事でとりすぎたカロリーは、消費されないと内臓脂肪としてお腹周りに蓄えられます。エネルギーの貯蔵庫としての働きがあり、運動などですぐに減らすことが可能です。

内臓脂肪が多すぎると、肥満、高血圧、脂肪肝などの原因になります。脂肪が多すぎると健康に良くないと言われるのはこのためです。

◯中性脂肪
体を動かすためのエネルギー源です。普段の生活や運動などで使われないと、皮下脂肪や内臓脂肪として体内に蓄えられます。中性脂肪は悪者と思われがちですが、生命を維持するために欠かせません。

血液中の中性脂肪が増え過ぎると、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が増加し、善玉コレステロール(HDLコレステロール)が減少します。その結果、健康リスクが高くなります。

中性脂肪を増やしてしまう食事

中性脂肪が増えるのは、普段口にしている食事が原因のひとつです。脂肪という名前から、肉類を多く食べると増えるイメージがありませんか?確かに肉類を多くとることで中性脂肪は増加します。ですが、実は糖質のとりすぎも中性脂肪を増やすのです。

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普段私達が口にしている白米やパン、ラーメンなどには炭水化物(糖質+食物繊維)が含まれています。糖質は体を動かすために必要なエネルギー源なのですが、食事で糖質をとると血糖値が上昇します。

血糖値が高い状態のままだと、健康リスクが高くなります。そこで、血糖値を下げるために膵臓からインスリンというホルモンが分泌されるのです。

インスリンによって筋肉や肝臓などに届けられた糖質(ブドウ糖)は、効率的なエネルギー源として使われます。ですが、使われなかった糖質は中性脂肪に変わり、皮下脂肪や内臓脂肪という形で溜めてしまうのです。このように、炭水化物をとることで中性脂肪も増えてしまいます。

また、お酒の飲み過ぎも中性脂肪を増やす原因になります。食事のお供にお酒を飲んでいる人もいるのではないでしょうか。大量にお酒を飲むことで、肝臓でアルコールを分解する際に中性脂肪の合成を促進します。さらに、お酒には糖が使われているため、血糖値の上昇を促します。

こんな食べ方していませんか?

中性脂肪が多いと指摘されている人は、次のような食べ方をする傾向にあります。

● 暴飲暴食をしてカロリーをとりすぎている
● 毎日のようにお酒を飲んでいる
● お菓子やジュースを好んで口にしている
● 油ものを多く食べている
● 野菜を食べる量が少ない

中性脂肪は肉類や糖質、アルコールをとりすぎることで増えてしまいます。毎日の食事で肉類が多く、野菜が不足している人は注意が必要です。

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また、お菓子やジュースを頻繁に口にしている人も気をつけましょう。特に糖質がたっぷり含まれている清涼飲料水や炭酸飲料は、糖の吸収が早く血糖値も急上昇します。

加えて中性脂肪が高い人は、野菜を食べる頻度も低い傾向にあります。肉類や白米などの炭水化物に比べて野菜の量が足りていません。

健康診断で中性脂肪が高いと指摘を受けている人は、自身の食事の仕方を見直してみることをおすすめします。

こんな生活していませんか?

中性脂肪は食事だけで増えるわけではありません。毎日の生活習慣でも大きく増えてしまうのです。例えば、以下のような生活の仕方に心当たりはありませんか?

● 運動する機会が少ない
● 睡眠時間を削りがち
● タバコを好んで吸っている
● 仕事などでストレスを抱えている

デスクワークが多い現代では、自ら進んで運動をしなければ体を動かす機会が作りづらくなっています。特にコロナ禍でリモートワークが増えたため、通勤で歩く時間も減少しています。動かないのに食べる量は変わらない生活に様変わりした結果、中性脂肪が増えやすくなったのです。

また、睡眠時間が足りていない人も中性脂肪が高くなりやすくなります。なぜなら、睡眠不足は食欲を高めるホルモン、「グレリン」の分泌量を増やすと言われているからです。グレリンが大量に分泌されることで、食べることを我慢できなくなります。必要ないのにいつも以上にお菓子や脂っこいものを食べすぎてしまい、中性脂肪が増える結果となるのです。

仕事やプライベートでストレスを抱えがちな人も注意が必要です。過度なストレスは食生活を乱す原因になります。暴飲暴食が結果的に中性脂肪を高める結果になり得るのです。

そんなストレスを解消するために、喫煙している人も要注意です。タバコはLDLコレステロールや中性脂肪の合成を促進し、HDLコレステロールを減少させると言われています。結果、健康リスクを引き起こす原因となります。

中性脂肪が高いことによる体へのリスク

中性脂肪が高くなることで注意したいのが「脂質異常症」です。中性脂肪、LDLコレステロール、HDLコレステロールが次の条件を満たした場合に脂質異常症と判断されます。

  • LDLコレステロール(悪玉コレステロール):140mg/dL以上
  • HDLコレステロール(善玉コレステロール):40mg/dL未満
  • 中性脂肪(TG、トリグリセリド):150mg/dL以上

※出典:厚生労働省e-ヘルスネット

なぜ中性脂肪が増えると危険なのかというと、LDLコレステロールが増えるからです。LDLコレステロールは、必要とする部位に脂質を届ける役割があります。反面、増え過ぎると血管を詰まらせたり、血管リスクの原因となります。

2.中性脂肪を下げるには

中性脂肪が高いまま放置するのはとても危険です。健康を維持する上でも中性脂肪は基準値まで下げるべきです。高くなった中性脂肪は、普段の生活を改善することで下げることが可能です。

以下では中性脂肪を下げるための食材選びのポイントや食事のとり方、毎日取り入れたい生活習慣についてご紹介します。

食材を選ぶ時のポイント

中性脂肪を下げるには、まずは食事から変えていくことをおすすめします。普段の食事で肉類や糖類が多い人は、以下にご紹介する食材を取り入れてみてください。

◯魚介類
魚介類に含まれる「オメガ3脂肪酸」は、血液をサラサラにする効果や中性脂肪を下げる効果があると言われています。

オメガ3脂肪酸は、ブリ、サバ、マグロ、サンマ、イワシなどの青魚に豊富に含まれています。普段の食事で肉類が多い人は、これらの青魚も取り入れてみましょう。魚の調理に不慣れでしたら、サバ缶といった缶詰を活用することをおすすめします。

◯海藻類・きのこ類・野菜類
野菜やきのこ、海藻には食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維には水に溶ける「水溶性食物繊維」と、水に溶けない「不溶性食物繊維」の2種類あります。

どちらも腸の働きを整える整腸作用があります。中でも水溶性食物繊維には、次のような効果があります。

● 中性脂肪の吸収を穏やかにする
● 血糖値の上昇を抑える
● コレステロールを体外に排出する
● コレステロール値を下げる
● 余分なナトリウムを排出する

◯大豆類
大豆には、中性脂肪やコレステロールを下げる働き成分が含まれていることで知られています。普段の食事で取り入れるのであれば、豆腐や納豆が良いでしょう。ジュースの代わりに豆乳を取り入れるのもおすすめです。

食事をする時のポイント

食事をする際は、次にご紹介するポイントを押さえておくことで中性脂肪を下げることに繫がります。

◯バランスの取れた食生活を心がける
暴飲暴食は中性脂肪を増やす食べ方なのでおすすめしません。必要以上にカロリーをとりすぎるのは避けるべきです。1日に必要な摂取カロリーを超えた食事はしないようにしましょう。

また、栄養バランスのとれた食事は中性脂肪を下げるだけでなく、健康を維持するうえでも効果的です。糖質だけ、肉類だけと偏った食事をするのではなく、栄養をまんべんなくとれるバランスの良い食生活を心がけましょう。

◯糖質の多いお菓子やジュースは控える
糖質をとりすぎると中性脂肪を高めることに繫がります。朝・昼・夕の3食で十分なカロリーを摂取できているのであれば、間食をとるのは控えるべきです。特にジュースは吸収も早いため、すぐに血糖値が上昇します。

どうしても間食が我慢できないなら、良質な脂がとれるナッツ類がおすすめです。ナッツ類に含まれている不飽和脂肪酸は、脂でありながらコレステロールや中性脂肪を改善する効果が期待できます。

また、ジュースの代わりに水やお茶、無糖の豆乳を飲むことで中性脂肪の上昇を抑えることに繫がります。

◯お酒を飲むのは適量を週1~2回にする
中性脂肪を下げるには、お酒の飲み方も変える必要があります。毎日飲酒している人は、週1〜2回は休肝日を設けて肝臓を休ませてあげてください。また、1日当たりのアルコール摂取量を20〜40g未満、日本酒であれば1〜2合程度を目安にすると良いでしょう。

◯肉類だけでなく魚介類も食べる
肉類は調理のしやすさなどから、ついつい食べる頻度を多くしがちです。しかし、肉類に含まれている飽和脂肪酸は、とりすぎるとLDLコレステロールを増やしてしまいます。

そこで、普段の食事で肉類を少なめにし、魚介類を多めに食べると良いでしょう。特に青魚に含まれている「オメガ3脂肪酸」は、中性脂肪や血圧を下げる効果が期待できます。

◯食物繊維を積極的にとる
食物繊維が豊富に含まれている、野菜類・きのこ類・海藻類を積極的に食べましょう。毎日きちんと食物繊維をとっている人はとても少ないと言います。仕事が忙しいからと、外食やコンビニ弁当で済ますと余計に食べる機会は失われてしまうでしょう。

食物繊維は糖質や脂質の吸収を穏やかにするため、血糖値の上昇や中性脂肪が増えるのを予防する働きがあります。しかも、野菜は腹持ちも良くて太りづらい食材なので、ダイエットにも効果的です。

毎日ちょこっと取り入れたい生活習慣

中性脂肪を下げるために、ぜひ運動する習慣を取り入れてください。中性脂肪は糖質と並んで私達の体を動かすエネルギー源です。しかし、使われなかった脂質や糖質は、皮下脂肪や内臓脂肪として体に溜め込んでしまいます。

そこで運動をする習慣をつけて、食事でとった中性脂肪を消費しましょう。エネルギーとして使うことで、中性脂肪を下げることに繫がります。

特に効果的なのが、ジョギングやウォーキングといった有酸素運動です。息が弾む程度の強度で行うことで、効率的に脂肪を燃焼することが可能です。

どうしても運動する時間が作れないのであれば、歩く頻度を増やすと良いでしょう。通勤でバスや電車を使っているなら、一つ前の停留所や駅で降りて歩くなどでも十分です。

3.まとめ

当記事では今回、中性脂肪が高くなる原因や下げるための食事などをご紹介しました。

中性脂肪は我々の体を動かすために使われるエネルギー源です。しかし、暴飲暴食や不規則な生活をしていると中性脂肪を高める結果となります。

中性脂肪が高くなると、LDLコレステロールが増えてしまい、健康リスクを引き起こします。

中性脂肪を下げるためにも、普段からバランスの取れた食事や規則正しい食生活を心がけましょう。そして、適度な運動をすることが重要となります。

この記事の監修者

薬剤師

坂井 幸子

薬剤師。病気の「治療」と「予防」両方大切だと考え、健康と食物の関係を日々研究。
生活の中で体に必要な栄養を補い、正しいコンディションで過ごせるように栄養学の観点から健康と美容をサポートすることを得意としている。

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