この記事の監修者
薬剤師 坂井 幸子
2022.12.08
「甘いものが食べたい!」は体からのSOSかも!?上手にコントロールする方法を解説
「理想のスタイルになって憧れの洋服を着たい」「痩せて美肌になりたい」
綺麗になった自分を想像しながら、日々ダイエットを頑張っている方がたくさんいらっしゃると思います。食事の見直しや運動の習慣といった毎日の努力で痩せていく実感がわくと、とても嬉しいですよね。
しかし頑張りすぎると、疲れやストレスは溜まる一方。食事を制限するあまり、ついつい甘いものに手が伸びそうになったことはありませんか。
やはり甘いものは、ダイエットの敵。食べ過ぎてしまうと、リバウンドや肌への影響を引き起こしかねません。でも選び方を工夫すれば、ダイエット中でも甘いものをとりたい欲を満たせるんです。
この記事では、甘いものが欲しくなる体の仕組み・甘いものが欲しくなった時に必要な栄養やダイエット中のおやつの選び方についてまとめました。
ダイエットは長期戦ですから、体の仕組みを知って時々自分を甘やかしながら理想のスタイルに向けて頑張っていきましょう。
体の仕組みを知っておけば納得◎「甘いもの欲」はコントロールできる!
「ダイエット中なのに甘いものが食べたい!」と思っているときは、体がサインを出しているのかもしれません。体の仕組みが分かれば、甘いものを食べた後に罪悪感に陥るというような連鎖を止められます。「ダイエットを成功させたい」という意志だけで頑張るのではなく、ダイエットを成功させられる体を作っていくことで楽しく理想の自分に近付けるでしょう。
こちらでは、甘いものを食べたくなる理由や、甘いもの欲をコントロールする方法を解説します。
甘いものが欲しい時は、エネルギーの元が足りていない
甘いものが食べたいときは、炭水化物・たんぱく質・脂質のどれかが不足していると言われています。体が活動するための栄養素を切らしているため、エネルギーのもととなる成分を欲しているのです。
また、女性の場合は生理前や生理中に甘いものを食べたくなる方も多いでしょう。生理時期に甘いものを欲するのは、妊娠に備えて体が脂肪や栄養分を蓄えようとしているからです。さらに、女性ホルモンの変動によって低下した血糖値を上げるために、甘いものが欲しくなります。
甘いものが無性に欲しいときは、ダイエット中でも栄養のある食べ物を摂取することがおすすめです。ただ、カロリーの高いものを食べ過ぎてしまうのはNG。主食に雑穀入りのパンを食べるなど、血糖値が上がりにくい食材をセレクトしてみましょう。加えて、食物繊維やたんぱく質の豊富な食材をとることで、脂肪のつきにくい身体を作れます。
栄養を摂取しながらダイエットを成功させるには、食べる順番を意識することも大切です。「野菜→メインのおかず→ごはん」の順番で食べることで、血糖値の上昇を緩やかにし、食べ過ぎを防げるでしょう。
ストレスを溜めすぎていませんか?
ストレスを溜めすぎてしまうと、甘いものを食べたくなることが多いです。
人はストレスを感じると、幸福ホルモンと呼ばれる「エンドルフィン」を放出し、ストレスを緩和させようとします。「エンドルフィンは甘みを摂取すると分泌される 」と言われているため、甘いものを食べたくなるのでしょう。
また、甘いものを摂取すると抗ストレスホルモンの「セロトニン」の分泌が増えます。セロトニンは精神を安定させ、脳を活発に働かせる作用があるので、ストレスを感じると甘いものを欲するのです。
さらに、脳がストレスを感じたときは、食欲を増やすホルモンが分泌され、食欲を抑えるホルモンが減少すると言われています。だからこそ、甘いものがどんどん欲しくなってしまい、食べ過ぎてしまうという事態が起こりがちです。
ストレスを感じて甘いものを欲している場合は、良質なたんぱく質を摂取しましょう。精神を安定させるホルモンの「セロトニン」は、甘いものだけではなくたんぱく質からも生成されます。乳製品や大豆製品、鶏肉や赤身魚などを摂取することで、良質なたんぱく質を体にとり入れてみてください。
甘いものを食べなくても、甘いもの欲を解消!
エネルギー不足やストレスを感じているときに、甘いものを食べ過ぎてしまうのはNG。甘いものの大量摂取は血糖値を急上昇させてしまい、体が適切な状態に戻そうと「インスリン」という物質を発生させるので低血糖になってしまいます。
低血糖になってしまえば、「もっと甘いものが食べたい!」と感じてしまうため、終わらない負のループへ引きずり込まれてしまうことに。
過剰に甘いものを食べないためにも、体に必要な栄養をバランス良く摂取することが大切です。さらに、適度な運動と良質な睡眠をとることで、健康的な体をつくることができます。
加えて、ストレスを溜めないように自分にぴったりの解消法を見つけることもおすすめです。ストレッチや友だちとのおしゃべりなど、リラックスできる方法を見つけて、甘いものに頼りすぎない工夫をしてみましょう。
これなら太りにくい!ダイエット中の甘いもの・お菓子の選び方
ダイエット中に甘いものを食べるなら、できるだけ太りにくいものを選びたいですよね。
ダイエットを頑張るみなさんにおすすめの食材は、脂肪に変わりにくく身体にとってプラスの働きになるものです。
こちらでは、ダイエット中に食べてOKな甘いものや、小腹を満たすおすすめの食材を紹介します。
楽しくダイエットを成功させるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
ダイエット中でも食べてOKな甘いもの
ダイエットに甘いものを選ぶときは、脂質や糖質が少なく、たんぱく質などの栄養素が豊富なものが良いでしょう。
おすすめのおやつは以下の通りです。
・高カカオを含んだチョコレート
・おからクッキー
・ヨーグルト
・糖質ゼロのお菓子
高カカオを含んだチョコレートは、ストレス解消基礎代謝の向上や便秘の改善に効果があるとされています 。
おからクッキーはカロリーも低いうえ、たんぱく質や食物繊維も豊富に摂取可能です。おからがたくさん含まれていれば糖質も少なくなるので、選ぶときにチェックしてみてください。
ヨーグルトも低カロリーでおやつにぴったり。無糖ヨーグルトにオリゴ糖を入れれば、低糖質で甘いものを食べられます。さらに、「プロテインヨーグルト」など高たんぱくな商品はダイエットに一押しですよ。
一方、ダイエット中におすすめできない甘いものは以下の通りです。
・ケーキ
・クッキー
・甘い飲み物
ケーキやクッキーなどの洋菓子は、バターや砂糖を多く使っているので、ダイエット中のおやつには不向きです。
清涼飲料水などの甘い飲み物も、砂糖をふんだんに使用しているためNG。砂糖不使用の場合でも人工甘味料が含まれていることが多く、摂取しすぎると味覚を狂わせる恐れがあります。
また、こちらで紹介したおすすめのおやつを食べるときは、ダイエットに効果的な食べ方を意識してみましょう。
12時から14時頃といった食べても太りにくい時間を選び、空腹の状態で食べないように注意してみてください。
栄養面もカバー!小腹を満たすおすすめ食材
甘いおやつ以外で小腹を満たしたいなら、以下3つのポイントを押さえた食材を選んでみましょう。
・たんぱく質が多いもの
・食物繊維がとれるもの
・脂質が少ないもの
それぞれおすすめのおやつや食べ物を紹介します。
たんぱく質が多いもの
たんぱく質は筋肉を構成する栄養素です。体のコンディションを維持するため、ダイエット中にしっかりととっていきたい栄養素と言えるでしょう。
たんぱく質が多いおやつは以下の通りです。
・きな粉などの大豆製品
・さきいか
・チー鱈
・アーモンド小魚
きな粉などの大豆製品は、たんぱく質が多く含まれているので、おすすめです。高たんぱく質のヨーグルトにきな粉をかければ、さらにたんぱく質を多く摂取できますよ。
大豆製品のおやつとしては、豆腐や豆乳を使った商品なども販売されています。成分表を見ながら糖質や脂質が少ないものを選ぶと、ダイエットにぴったりのおやつを見つけられるでしょう。
さきいかやチー鱈、アーモンド小魚などのおつまみも、たんぱく質を多く含んでいるおやつです。ただ、塩分が多いため食べ過ぎには注意しましょう。
一方、たんぱく質が多い食材は以下の通りです。
・鶏むね肉
・鶏ささみ
・カツオ
・アジ
・卵
・牛乳
これらの食材を日々の生活にとり入れることで、効率的にダイエットを成功させることができるでしょう。
普段コンビニを多く利用されている方は、サラダチキンやゆで卵、豆腐などを選んでみてください。自宅で食べる場合は、納豆やサバ缶をセレクトするのも良いでしょう。
食物繊維がとれるもの
食物繊維は、ダイエット中の方に積極的にとっていただきたい栄養です。
食物繊維が豊富なおやつをまとめてみました。
・ナッツ
・干し芋
・茎わかめ
ナッツは手軽に食べられるおやつとして、ダイエットをしている方の強い味方です。鞄に忍ばせておけば、小腹が空いたときも安心ですね。
干し芋は脂質が少ないうえ、アンチエイジングや、むくみの改善に繋がる成分も豊富に含まれています。腹もちがいいことから、空腹感なくダイエットを乗り切れるでしょう。
シャキシャキとした歯ごたえが特徴の茎わかめも、カロリーが低いためダイエット中のおやつにぴったり。血圧の上昇を抑える効果がある とも言われており、健康面のサポートも期待できます。
対して、食物繊維が多く含まれるダイエットにおすすめの食材は以下4つです。
・こんにゃく
・もろへいや
・しいたけ
・乾燥ひじき
きのこ類は季節を問わず食物繊維を摂取できる食材です。しいたけ以外に、えのきやしめじなども同じくらいの食物繊維が入っているので、ぜひチェックしてみてください。
脂質が少ないもの
脂質は1gあたりのカロリーが高いため、少ないものを摂取すればスムーズにカロリーをカットすることが可能です。
脂質を摂取しすぎてしまうと、健康リスクが高まる可能性があります。 ダイエットを効率的に成功させたい場合は、ぜひ脂質が少ないものを摂取しましょう。
以下には、脂質が少ないおやつをまとめてみました。
・あたりめ
・さけるチーズ
・ノンフライスナック
あたりめの脂質量は100gあたりわずか4.3gであり、たんぱく質も摂取できる一石二鳥なおやつです。しっかり噛むことで満足感も得られるので、ダイエット中に一押しでしょう。
さけるチーズは脂質と共に糖質が少なく、コンビニでも手軽に買えるダイエット食品です。カルシウムも豊富に含まれており、栄養面に優れたおやつと言えます。
ポテトチップスなどのジャンキーなおやつが食べたくなったら、ノンフライスナックを選んでみましょう。赤ちゃん用のおやつであれば量も少ないので、食べ過ぎも防げます。
対して、脂質が少ない食材の中でダイエットにおすすめなのは以下4つです。
・鶏の軟骨
・つぶ貝
・まだら
・きゅうり
鶏肉は脂質が少ない食材ですが、皮には脂質量が多いので避けるべきでしょう。
魚介類なら貝類や甲殻類、野菜なら全般的に脂質がほぼ含まれていません。ただ、ドレッシングをかけすぎてしまうと予想以上に脂質を摂取することがあるので、注意してください。
まとめ
今回は、ダイエット中におすすめしたいおやつの選び方や、甘いものが欲しくなったときの解決方法について解説しました。
ダイエット中に甘いおやつが食べたくなったときは、高カカオを含んだチョコレートや糖質ゼロのお菓子などを選ぶことがおすすめです。
ただ、いくら太りにくいおやつでも甘いものを食べ過ぎるのはNG。体に必要な栄養をバランスよく摂取し、適度にストレス発散を行いながら、甘いもの欲を解消していきましょう。
この記事の監修者
薬剤師
坂井 幸子
薬剤師。病気の「治療」と「予防」両方大切だと考え、健康と食物の関係を日々研究。
生活の中で体に必要な栄養を補い、正しいコンディションで過ごせるように栄養学の観点から健康と美容をサポートすることを得意としている。
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