この記事の監修者
薬剤師 坂井 幸子
2024.04.22
【年代別に解説】エイジングケアっていつから何をしたらいい?ベストタイミングやおすすめの方法とは
「あれ、こんなところにシミが」「いつの間にかたるんでた」など、年齢をかさねるたびに肌の変化を感じることはありませんか。
いつまでも若々しくきれいな肌でいるために、ぜひ「エイジングケア」を取り入れてみましょう。
エイジングケアを取り入れることに遅すぎる・早すぎるということはありません。
肌トラブルを放置せずに早めのケアで、大切な肌を守っていきましょう。
この記事では、エイジングケアのコツやスキンケア以外でも見直すべきポイントについてご紹介しています。
ぜひ参考にしてみてください。
年齢に応じて肌はどのように変わっていくの?
エイジングケアを始める前に、そもそも年齢に応じて肌にはどのような変化が表れるのかを知っておくことが大切です。
また、年齢をかさねて、シワやシミが気になるようになった経験がある方もいるかと思いますが、年齢をかさねることによって表れる肌の変化を「エイジングサイン」と呼びます。
年齢ごとのエイジングサインを知っておけば、自身の肌の変化に気づけるだけでなく、エイジングサインに合わせた対策もしやすくなるでしょう。
以下では、年齢別のエイジングサインと、加齢によって肌が変化する原因を解説します。
年代別エイジングサイン
20代(25歳以上)から60代以上の女性 5,031名を対象に行われたある調査では、年代別で実感している肌のエイジングサインとして、以下のような内容があげられています。
20代 | 30代 | 40代 | 50代以上 | |
1位 | 毛穴 | 毛穴 | シミ | シミ |
2位 | 乾燥・かさつき | シミ | ほうれい線 | ほうれい線 |
3位 | シミ | ほうれい線 | 毛穴 | たるみ |
4位 | くすみ・透明感低下 | 乾燥・かさつき | たるみ | ハリ低下 |
5位 | クマ・涙袋 | くすみ・透明感低下 | 目じりシワ | 首のシワ、たるみ |
上記の表からわかるように、年代によって感じるエイジングサインは異なり、20代〜30代では毛穴の悩みがもっとも多く、40代以上になるとシミの悩みが多くなっています。また、30代からほうれい線、40代からたるみを感じる人が増える傾向もみられます。
年代別加齢による肌が変化していく原因
加齢による肌の変化にはさまざまなものがありますが、年齢によって原因も異なります。以下の表は、年代別によくある肌トラブルと原因をまとめたものです。
年代 | 加齢による肌が変化していく原因 |
20代 | 20代前半は皮脂の分泌量が多いため、ニキビや毛穴などのトラブルがある。 20代後半は皮脂の分泌量が減り始め、肌荒れや乾燥肌につながる。 |
30代 | 肌の水分量が減り始めることや皮脂の分泌量が減ることにより、肌のバリア機能が低下する。その結果、乾燥を感じやすくなる。 |
40代 | 女性ホルモンの分泌量が減ることによる、ホルモンバランスの乱れが原因で、保湿成分が減少し乾燥が気になる。 |
50代以上 | 閉経による女性ホルモンの減少や肌のターンオーバーの乱れによって、シミが増えたり、シワやたるみを感じる。 |
上記の表を参考にして、自身のエイジングサインの原因を確認してみてください。
何歳くらいから始めるのがベスト?エイジングケアとは
エイジングサインは、20代から表れるものもありますが、エイジングケアは何歳くらいから始めるのがベストなタイミングなのでしょうか。そもそも、スキンケアとエイジングケアの違いを知らない方や、なんとなくは知っているけど説明できないといった方もいるでしょう。
以下では、スキンケアとエイジングケアの違いや、エイジングケアを始める時のベストな年齢を解説します。
「スキンケア」と「エイジングケア」の違い
スキンケアとエイジングケアは、どちらも肌のお手入れを指す言葉ですが、お手入れをする目的に違いがあり、それぞれの目的は以下のとおりです。
• スキンケア:肌のお手入れ全般
• エイジングケア:年齢に合わせた肌のお手入れ
また、エイジングケアと似た言葉として「アンチエイジング」がありますが、エイジングケアが年齢に合わせた肌のお手入れであるのに対して、アンチエイジングは、心や体の老化を抑えて若さを維持することです。
エイジングケアを始める時のベストな年齢
エイジングケアを始めるタイミングに悩む方も多いかもしれませんが、肌の変化が気になり始める人が多い20代後半から始めるのがおすすめです。
肌には、古い肌が新しい肌に生まれ変わるターンオーバーと呼ばれる周期があり、個人差はあるものの、20代で約28日、40代で約55日と倍近い差があります。ターンオーバーの周期が長くなると、エイジングサインが表れる原因となるため、徐々に変化が表れる20代後半がベストなタイミングといえるでしょう。
ただし、ターンオーバー周期の変化には個人差があるため、エイジングサインを感じ始めてからエイジングケアを始めても問題ありません。
エイジングケアはスキンケアだけ変えたら良いの?
エイジングケアでは、スキンケアだけでなく、体の外側・内側どちらからのケアも大切です。
スキンケアは、体の外側から行う肌のお手入れ全般を指しますが、エイジングケアは、体の内側からもアプローチし、肌トラブルの改善を目指します。
そのため、スキンケアだけでなく、食事や生活習慣の見直しも行えるとよいでしょう。
以下では、スキンケアと食事や生活習慣について解説するので、参考にしてみてくださいね。
体の外側からアプローチ!スキンケアのポイント
まずは、エイジングケアにおけるスキンケアのポイントから見ていきましょう。普段から化粧水や乳液などのスキンケア用品を利用している方も多いと思いますが、エイジングケアではおすすめの美容成分もあれば、控えたい美容成分もあります。
そのため、現在使用しているスキンケア用品や、今後新たに購入する時にパッケージの成分表記を確認してみましょう。
お悩み別・おすすめの美容成分
美容成分にもさまざまな種類があります。肌の悩みに応じた成分が配合されているスキンケア用品であれば、効果的に肌トラブルを解消できるでしょう。それぞれの肌悩みに対するおすすめの美容成分は、以下の表を参考にしてみてください。
肌の悩み | おすすめ美容成分 |
シミ・くすみ | ・ハイドロキノン ・コウジ酸 ・トラネキサム酸 ・アルブチン |
乾燥 | ・コラーゲン ・グリセリン ・シュガースクワラン |
ハリ・弾力不足 | ・ビタミンA誘導体 ・機能性ペプチド ・プラセンタエキス |
シワ | ・ニールワン ・純粋レチノール ・ナイアシンアミド |
たるみ | ・レチノール |
毛穴・角栓 | ・AHA(フルーツ酸) ・酵素 |
20代や30代では、毛穴や角栓の悩みが多くなるため、AHAや酵素などの成分を取り入れるのがおすすめです。また、肌の乾燥が気になり始めた方は、コラーゲンやグリセリンなどの保湿成分にも注目してみましょう。
40代から50代になるとシミやたるみなどの肌トラブルが起きやすいため、ハイドロキノンやコウジ酸、レチノールなどを含むスキンケア用品の利用を検討してもよいかもしれません。
年齢をかさねるにつれ乾燥を感じやすくなるため、水分をたっぷり補うスキンケアで肌をしっかり保湿することも大切です。
肌を守るためにできるだけ使用を控えたい美容成分
基本的に化粧品に含まれる成分が肌の健康状態に大きな悪影響を及ぼすことは稀ですが、人によっては刺激を感じたり・肌トラブルを引き起こすことも。
敏感肌や肌の変化を感じやすいという方は、下記の成分に気を付けてみましょう。
• プロピレングリコール
• ジエタノールアミン
• パラペン
• 安息香酸ナトリウム
• フェノキシエタノール
• ラウリル硫酸ナトリウム
• ベンジルアルコール
化粧品を購入するときには、肌の悩みに合った美容成分が配合されていることとあわせて、控えたい成分がないかどうかもチェックしておくと安心です。
外側からエイジングケアをする時に意識したいポイント
前述のとおり、エイジングケアには外側と内側からのアプローチがあり、それぞれに意識したいポイントがあります。外側からのエイジングケアにおいては、以下のようなポイントに注意しておきましょう。
• 肌への刺激やストレスに気をつける
• 紫外線対策を徹底する
肌への刺激として注意したいのは、アルコールによるダメージです。コロナ禍以降、感染病対策として、アルコール消毒や除菌シートを携帯する習慣がついた方も多いかもしれませんが、アルコールは肌への刺激が強く、手指の肌トラブルの原因にもなりかねません。化粧品にも防腐効果や肌の引き締め効果を目的として、アルコールが配合されることがあるので、アルコールフリーのものを選ぶのがおすすめです。
また、ストレスやホルモンバランスの乱れなど体の内側からの刺激も肌へ影響を与えることがあります。赤みなどの症状が出た時は、肌に負担をかけないような配合成分がシンプルなものを選んでみましょう。
あわせて意識したいのが紫外線対策。肌の老化の80%が紫外線ダメージによるものだと言われているため、日焼け止めや日傘・防止などで紫外線から肌を守ることもエイジングケアに繋がります。
その他にも、表情筋を鍛えるのもおすすめ。表情筋が衰えると、たるみの原因となる場合があるため、表情筋を鍛えることもポイントです。日常生活からよく笑うように心がけると同時に、意識的に表情筋を動かすトレーニングに取り組んでみましょう。
体の内側からもアプローチ!食事や生活習慣でのポイント
次に、体の内側からのエイジングケアに取り組む際のポイントです。
食事や水分のとりかた、睡眠の質を意識できるようになると、より効果的にエイジングケアに取り組むことができるはずです。
以下では、食事や生活習慣のポイントについて解説します。
栄養バランスの整った食事を心がける
栄養バランスを整えることはエイジングケアにつながるため、肌にエイジングサインが表れた場合には、普段の食生活を見直すのも一つの手です。主食・主菜・副菜の揃った食事をはじめ、体に必要な栄養素を十分にとれるメニューを意識することが大切です。
バランスのとれたメニューを用意するのが難しい方は、サプリや健康食品などの力を借りてもよいでしょう。
水分補給を欠かさないようにする
加齢によってターンオーバーの周期が変わると、肌トラブルが起きやすくなりますが、新陳代謝の改善によって改善を図れることもあります。水分補給は、新陳代謝を上げるための代表的な方法で、エイジングケアにおいても重要な要素の一つです。
とくに、冬や寒い時期には喉の渇きを感じにくく、水分摂取量が不足しやすいので意識的に水を飲むようにしましょう。
質の高い睡眠を意識する
睡眠中にはターンオーバーを促す成長ホルモンが分泌されることから、質の高い睡眠をとることはエイジングケアにも繋がります。寝る前はスマートフォンの使用を控えたり、寝室の温度や湿度を調整したりして快適な睡眠がとれるような環境を整えるようにしましょう。
この記事の監修者
薬剤師
坂井 幸子
薬剤師。病気の「治療」と「予防」両方大切だと考え、健康と食物の関係を日々研究。
生活の中で体に必要な栄養を補い、正しいコンディションで過ごせるように栄養学の観点から健康と美容をサポートすることを得意としている。
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