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ドクター監修

2022.07.05

LDLが高いまま放っておくのは要注意!今からでもできる改善方法

年齢をかさねると、健康診断で気になる項目も増えてきますよね。「LDL(悪玉コレステロール)」はその名称から、数値が高いと余計にドキッとされる方も多いかと思います。もちろん数値が高すぎると体によくありませんが、悪玉コレステロールはある程度体には必要なのです。

自分の体を守るために、少しでも健康でいられる時間を増やせるように、ぜひこの記事をお役立てください。

【目次】

 

1.悪玉コレステロール自体は「悪いもの」ではない!
┗コレステロールの役割
┗悪玉コレステロール(LDL)
┗善玉コレステロール(HDL)

2.悪玉コレステロールが高いままだと…
┗健康リスクの原因に
┗悪玉コレステロールが増えてしまう理由

3.悪玉コレステロールを下げるには
┗飽和脂肪酸のとりすぎには気を付けよう
┗不飽和脂肪酸・食物繊維を積極的にとろう
┗定期的な運動を取り入れよう

4.まとめ

1.悪玉コレステロール自体は「悪いもの」ではない!

コレステロールと聞くと、「病気になる原因」というイメージを抱いている人も多いはずです。料理をするときも、コレステロールが多い食材は避けているという人もいるのではないでしょうか。何かと悪者にされがちなコレステロールですが、実は人間の体にとって欠かすことのできない成分のひとつなのです。

コレステロールの役割

コレステロールは、健康のために絶対に避けるべきものと考えている人もいるのではないでしょうか。ダイエット中にコレステロールを少しでも摂取すると、太ってしまうという印象を持っている人も少なくありません。健康や減量のために、コレステロールを極端に排除しようとしていませんか?

コレステロールは、普段の食事で口にしている脂質の一種です。鶏肉や豚肉などにも含まれており、食べ過ぎると体に害を与えるのは事実です。しかし、実はコレステロールは人間の肝臓でも作られている成分であり、細胞を守るためには欠かせません。

人間の体は細胞の塊でできています。細胞を作る材料が不足すると、健康な体を維持できなくなります。その材料のひとつがコレステロールです。また、人間の体や心の働きを左右する女性ホルモンや、男性ホルモンの材料にもコレステロールは使われています。

コレステロールが不足すると、免疫力の低下や血管のトラブルを引き起こすリスクが高まります。また、女性は気になると思いますが、髪がパサつくといった弊害が出てしまいます。このように、コレステロールは、人間が生きていくうえで切っても切れない重要な物質のひとつなのです。

そんなコレステロールには、悪玉コレステロール(LDL)と善玉コレステロール(HDL)の2種類あります。

悪玉コレステロール(LDL)

「悪玉」という名前から、体に不要な悪者という印象が強い悪玉コレステロールですが、実は体にとって必要不可欠な働きを持っています。

コレステロールは、水に溶けない脂質の一種なので、血液に溶けて全身に運ばれることはありません。そこで、脂質を運ぶために、アポタンパク質とリン脂質という膜で覆われた「LDL(Low Density Lipoprotein:低比重リポタンパク質)」に変わるのです。

例えるなら、カプセルタイプの薬のようなものです。カプセルの中にコレステロールを詰めて、血管を通って全身に必要な量を届けるのが悪玉コレステロールの役割です。つまり、悪玉コレステロール自体が悪者というわけではありません。

基準値以上の悪玉コレステロールをとると体に害になるのは事実ですが、基準値以下になると、血管や細胞膜を作れなくなるため、やはり体に悪影響を与えてしまいます。

善玉コレステロール(HDL)

一方、善玉コレステロールは、健康に良いというイメージを持っているのではないでしょうか。善玉という名前の理由は、善玉コレステロールが余分なコレステロールを回収し、肝臓に戻す働きがあるためです。

悪玉コレステロール同様に、善玉コレステロールも「HDL(High Density Lipoprotein:高密度リポタンパク質)」という膜に覆われて、血管内を移動します。善玉コレステロールが基準値にあることで、動脈硬化の原因となる余分なコレステロールを回収します。

2.悪玉コレステロールが高いままだと…

決して体に悪い物質ではない悪玉コレステロールですが、必要以上にとりすぎた場合は体に害を与えてしまいます。

健康リスクの原因に

善玉コレステロールと悪玉コレステロールは、お互いにバランスを取り合うことで正常に働いています。しかし、乱れた食生活が原因で脂質を多くとりすぎてしまうと、善玉コレステロールが回収する以上に悪玉コレステロールが増える、といった具合に2つのバランスが崩れてしまいます。

その結果、コレステロールが血管を詰まらせたり、傷をつけてしまいます。すると血管は柔軟性を失い、将来の健康にとって大きなリスクとなります。

悪玉コレステロールが増えてしまう理由

悪玉コレステロールが増える理由には、次のようなものがあります。

■食事で脂肪分をとりすぎている
遺伝的な問題がない場合、悪玉コレステロールが増えてしまう最大の原因は、食事です。ドカ食いや暴飲暴食をすることで栄養が偏ったり、ムダなエネルギーを溜め込むことになります。

例えば脂身の多い牛肉・豚肉や卵といったコレステロールの多い食材を食べることで、悪玉コレステロールが高くなります。

また、1日に必要な摂取カロリーを超えた食事をすると、使われなかったエネルギーは体脂肪として体に溜まります。これも悪玉コレステロールが増える原因となってしまいます。

悪玉コレステロールが高い場合、カロリーの高い食事をしている可能性がありますので、毎日の食生活を見直す必要があります。

■適度な運動を行っていない
悪玉コレステロールが高い人は、運動不足の傾向にあります。筋トレや有酸素運動をすることで、エネルギーを消費することにつながるでしょう。また、筋肉はエネルギーの消費が多い部位なので、多くのエネルギーを使います。

しかし、肥満の人は適度な運動をしていないうえに食事もとりすぎているため、脂肪と悪玉コレステロールが増えてしまうのです。

3.悪玉コレステロールを下げるには

悪玉コレステロールは、人間が生きるうえで必要不可欠です。しかし、悪玉コレステロールの数値が高すぎると、健康リスクになりかねません。そこで、悪玉コレステロールを下げる方法を知り、実践することが大切になります。

悪玉コレステロールを下げる方法として、以下でご紹介するポイントを押さえておきましょう。

飽和脂肪酸のとりすぎには気を付けよう

飽和脂肪酸は、牛・豚の脂肪やバターといった動物性の脂質に多く含まれています。飽和脂肪酸には以下のように3つの種類があります。

・短鎖脂肪酸
・中鎖脂肪酸
・長鎖脂肪酸

飽和脂肪酸は、人間の体を動かすエネルギー源として使われますが、余分なエネルギーは皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられます。

また、飽和脂肪酸は、善玉コレステロールや悪玉コレステロールを高める原因になります。どちらも体に必要なものですが、悪玉コレステロールをとりすぎると、健康リスクになるため注意が必要です。

「普段から肉はあまり食べないから大丈夫」という人も、別の食品から飽和脂肪酸をとっている恐れがあります。例えば、シュークリームやケーキといったスイーツ類、菓子パン、カップラーメンにも飽和脂肪酸は含まれています。

飽和脂肪酸のとりすぎを防ぐためにも、普段から口にしているものにどれくらい脂質が含まれているかチェックしておくべきです。

不飽和脂肪酸・食物繊維を積極的にとろう

同じ脂肪でも、積極的にとるべきなのが不飽和脂肪酸です。主に植物や魚類に含まれている脂で、人間の体で合成できない必須脂肪酸です。

不飽和脂肪酸は、「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」の2種類に分けられます。

■一価不飽和脂肪酸
悪玉コレステロールを減少させて、健康リスクを低減させる効果が期待できます。代表的なのはオレイン酸で、オリーブオイルや菜種油、ナッツ類に含まれています。

■多価不飽和脂肪酸(n-3系列)
代表的なものとして、青魚の脂に含まれているDHA・EPAや、植物油に含まれるα-リノレン酸が挙げられます。主に次のような効果が期待できます。

・中性脂肪を減らす
・認知機能の改善

不飽和脂肪酸は、善玉コレステロールを増やすだけでなく、健康維持に嬉しい効果がたくさんあります。油をとる際は、不飽和脂肪酸を積極的にとりましょう。

また、同じように重要なのは食物繊維です。野菜などに多く含まれている食物繊維には、「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類があります。

食物繊維は、腸内で消化・吸収されることはありませんが、腸内を活性化させる働きがあります。さらにコレステロールや脂質、糖質の吸収を穏やかにする効果が期待できます。野菜を多くとることで満腹感を得られるため、ムダな脂質や糖質をとる量を減らすことにつながるでしょう。

普段の食事で不飽和脂肪酸や食物繊維を多めにとることで、悪玉コレステロールを増やすことを防げます。

定期的な運動を取り入れよう

悪玉コレステロールの対策として、ぜひ取り入れたいのが有酸素運動です。息が弾む程度のジョギングやウォーキングといった有酸素運動を、毎日30分ほど行うことで悪玉コレステロール改善に効果が期待できます。

有酸素運動をする時間をまとめて作れない場合は、1日の合計が30分以上になるように分けると良いでしょう。例えば、出勤で10分のウォーキング+帰宅時に10分のウォーキング+軽めのジョギング10分といった具合です。運動は週に3回以上を無理のない範囲で行うことで効果が得られます。

同時に筋トレを取り入れることも推奨します。筋トレには、コレステロールを下げる効果が期待できるといわれています。また、筋トレを始めると食生活に気を遣うようになるため、ムダなカロリー摂取を控えるようになるでしょう。その結果、脂質をとる量が減り、悪玉コレステロールの減少にもつながるのです。

4.まとめ

今回は悪玉コレステロール(LDL)について解説しました。一般的に悪玉コレステロールは悪いイメージしかありません。名前に悪玉と付いていますが、体にとってはなくてはならないものなのです。

悪玉コレステロールの役割は、血管を通って全身に必要なコレステロールを届けることです。一方、善玉コレステロールは、余分なコレステロールを回収し、肝臓に戻す役割があります。善玉コレステロールと悪玉コレステロールのバランスが保たれていることで、人間の体は正常に働くのです。

しかし、脂質や糖質の多い食事をして体脂肪を増やしたり、コレステロールの多い食材を使った食事ばかりしていると、必要以上にコレステロールが溜まってしまいます。その結果、悪玉コレステロールと善玉コレステロールのバランスが崩れてしまい、トラブルになったりするのです。

将来の健康リスクにならないためにも、次の点に注意が必要です。

・飽和脂肪酸のとる量を減らす
・不飽和脂肪酸や食物繊維を積極的にとる
・定期的に有酸素運動や筋トレを行う

悪玉コレステロールを高めないためにも、暴飲暴食を避けつつ運動をするなど、普段から食生活や生活習慣に気をつけましょう。


この記事の監修者

坂井 幸子

薬剤師。病気の「治療」と「予防」両方大切だと考え、健康と食物の関係を日々研究。
生活の中で体に必要な栄養を補い、正しいコンディションで過ごせるように栄養学の観点から健康と美容をサポートすることを得意としている。


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