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医師・専門家監修

この記事の監修者

薬剤師 坂井 幸子

2023.04.27

運動を習慣化してコレステロール値を下げる!効果的に改善するポイントも紹介

健康診断などでコレステロールの指摘をされたら、まずは食事から見直す方が多いかと思います。コレステロールの7~8割は体内で合成され、2~3割は体外から取り入れられているので、コレステロールを含む食べ物やコレステロールの合成を増やす食品を控えるように調整することも大切な改善策のひとつです。

さらに効果を期待するなら、普段の生活に運動習慣を身につけることもおすすめ。 定期的に体を動かすことで、善玉コレステロールが増え余分な悪玉コレステロールを回収してくれ、健康リスクを低下させるとされています。

また、運動はコレステロール値改善だけでなく、基礎代謝が上がったり、疲れにくくなったりなどメリットがたくさんあります。体を動かすとストレス解消にも繋がるので、習慣化して健康な体を目指しましょう。

この記事では、コレステロール値を改善したい方へおすすめの運動法や習慣化するためのポイントをまとめています。ぜひ参考にしてみてください。

目次

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基準値を超えたコレステロールが体に与える影響

コレステロールとは、細胞膜やホルモン、脂肪を消化・吸収する胆汁酸やビタミンDをつくるための物質のこと。

どうしても、コレステロールと聞くと悪いものではないかと思ってしまいがちですが、生命維持に欠かせない大切なものです。健康診断などでコレステロールの検査をしたときに基準値内に治まっていれば、問題はないでしょう。

ただ、コレステロール値が基準値を超える場合は注意が必要です。LDLコレステロールが増えすぎると血管の内腔が次第に狭くなり、HDLコレステロールが減りすぎると余分なコレステロールが回収されません。

このように基準値を超えたコレステロールは体に悪影響を与えてしまうので、放置するべきではないでしょう。こちらでは、LDLコレステロールとHDLコレステロールの役割と基準値、さらに基準値を超えたときにどんなことが起きるのか具体的に解説します。

LDLコレステロール

LDLコレステロールとは、LDL(低密度リポ蛋白)に含まれるコレステロールのことです。「LDLって何?」と思った方のために、リポ蛋白とコレステロールの関係についてお話ししていきましょう。

コレステロールは、そのままでは血液の中に溶けることができないため、粒子であるリポ蛋白に含まれ、体を巡っていきます。LDL(低密度リポ蛋白)は、肝臓から排出されたリポ蛋白が小さくなったものであり、血液の中で最も多い粒子です。

このLDLの中に含まれるコレステロールがLDLコレステロールであり、悪玉コレステロールともいわれています。

悪玉コレステロールという言葉から、「体に悪い影響を及ぼすものなの?」と思う方もいるかもしれませんが、これは誤解です。

LDLコレステロールは、肝臓に蓄積されたコレステロールを体の至るところに運ぶ役割があるため、悪玉と呼ばれており、体に必要不可欠な役割があります。

ただ、LDLコレステロールの基準値を超えてしまうと、LDLが血管に沈着してしまい、動脈が硬くもろくなったりつまったりしてしまうことに。

LDLコレステロールの目安は以下の通りです。

要注意59以下
基準範囲60~119
要注意120~179
異常180以上

LDLコレステロールは減らしすぎても体に悪影響なので、数値が少ないほど良い訳ではありません。大切なのは、後に紹介するHDLコレステロールとのバランスです。

一般的に、LDLコレステロールをHDLコレステロールで割った数値が2以上の場合は要注意とされているため、それぞれの数値以外にもチェックしてみてください。

HDLコレステロール

HDLコレステロールとは、HDL(高密度リポ蛋白)に含まれるコレステロールのことです。

先ほどもお伝えしたように、コレステロールはリポ蛋白という粒子に含まれ、体の中を運ばれます。

HDL(高密度リポ蛋白)は、使われなくなったコレステロールを体の細胞から肝臓に運ぶもの。脂質が蓄積している血管からもコレステロールを引き抜くことができるため、善玉コレステロールといわれています。

HDLコレステロール値が少ないと、動脈の壁に含まれたコレステロールを回収しきれずに、血液の通り道がふさがれてしまうことが考えられるのです。

以下に、HDLコレステロールの目安をまとめてみました。

異常34以下
要注意35~39
基準範囲40以上

体にとってコレステロールは大切な存在ですが、増えすぎてしまうと体に悪影響を及ぼします。このため、コレステロールの回収を担当するHDLコレステロール値が低いと、問題になってしまうのです。
HDLコレステロール値の低い方は、次項から紹介するコレステロール値の下げ方をチェックして、日常に取り入れてみてください。

改善策

コレステロールを下げる方法としては、以下のようなことが挙げられます。

● 運動
● 食事
● 生活習慣

運動をすると中性脂肪値を下げることができ、HDLコレステロールを増やす役割があるといわれています。

中性脂肪も悪玉コレステロールのときと同様、悪いイメージを持つ方も多いですが、生命活動をするときの大切なエネルギー源です。体温を一定に保ったり衝撃を吸収したり、さらには臓器を所定の位置からずれないようにする役割を担っています。

しかし、中性脂肪が増えてしまうと体脂肪として蓄えられて肥満になってしまったり、LDLコレステロールを増やし、HDLコレステロールを減らしてしまうのです。

運動を習慣化して血流が良くなれば、体内の中性脂肪値が減少し、HDLコレステロールは増加します。この結果、LDLコレステロール値を下げることができるのです。

コレステロール値を下げる具体的な運動方法については、次項で解説しているので参考にしてみてください。

また、コレステロールを下げるには食事を意識することも大切です。特に、LDLコレステロールを下げる食べ物や上げてしまう食べ物を知っておくことで、コレステロール値を効率的に低下できるでしょう。

コレステロール値を改善する食事については、以下の記事で詳しくお話しているので参考にしてみてください。

悪玉コレステロールを下げる食べ物はコレ!控えるべき食べ物も紹介

さらに、十分な睡眠をとったりぬるめのお風呂に入ったりなど、生活習慣を変えることでコレステロールの減少にもつなげられるでしょう。

以下の記事では、コレステロールを下げるための簡単に取り組める生活習慣を紹介しています。

コレステロールを下げる!今日から簡単に取り組める生活習慣を紹介

コレステロール値を下げる運動方法

コレステロール値を下げるには、習慣的な運動が大切です。スポーツ選手のような強度の強いものではなく、毎日行なえるような負荷のかかり過ぎない運動が健康的な体へと導いてくれるのです。

また、運動にはコレステロール値を改善する以外にも以下のような魅力があります。

● 体力がつく
● 生活習慣が原因で体に悪影響が出ることを予防できる
● ストレス発散ができる

運動をすれば、体力や持久力がつき、筋肉量が向上します。このため、体調が崩れることを予防でき、今よりもさらに健康的な生活を送れるでしょう。

加えて、軽い運動でもストレスを解消するホルモンが分泌され、交感神経が優位な時間が長くなるため、ポジティブになりやすいともいわれているのです。

運動をすることは、ストレスに強い体をつくることにも作用しています。日常的に運動をすれば、精神を安定させるホルモンが安定して分泌されることに。さらに、運動して程よい疲れを感じることで安眠ができ、ストレスや疲労回復も期待できます。

このように、運動はコレステロール値を下げるだけではなく様々な良いことがあるので、実践してみてください。

有酸素運動

有酸素運動とは、長時間継続して行える運動のこと。ウォーキング・ジョギング・サイクリング・水泳などが代表例です。

長時間の運動を続けると、体脂肪が分解されてエネルギー源として使われるため、体内の中性脂肪を減らすことができます。これにより、余分なコレステロールを回収するHDLコレステロールが増加するので、コレステロール値を下げられるのです。

さらに、有酸素運動には以下のメリットがあります。

● 持久力が向上する
● 運動が苦手でも取り組みやすい

有酸素運動として長時間の運動をすると大量の酸素が必要になりますが、心拍数は上限が決まっているもの。このため、より多くの酸素を運ぼうと心臓周りの筋における筋力向上が必要になり、持久力がアップするのです。

また、有酸素運動として挙げられるウォーキングやジョギング、サイクリングなどは、運動が苦手な方でも取り組みやすいです。エネルギー消費量が大きいうえに血圧は上がりにくく、怪我などのリスクも低いので、今日から始められる運動でしょう。

有酸素運動のデメリットとしては、筋肉を鍛えられないということ。ウォーキングなど体全体を使う有酸素運動は、「遅筋」と呼ばれるゆっくりした動作に使われる筋肉のみが鍛えられますが、速い動作に使う「速筋」が大きくなることはありません。

筋肉量が増えれば基礎代謝が増加し、太りにくい体質になるといわれているため、次章で紹介する筋トレも併せて取り組むのがおすすめです。

筋トレ(無酸素運動)

筋トレは、短時間に強い力を発揮する無酸素運動の一種です。無酸素運動は、運動中に呼吸をしないということではなく、筋を収縮させるためのエネルギーを酸素を使用しないで作るため、このように呼ばれています。

コレステロール値を下げるには、有酸素運動に加えて筋トレをすることが一押し。筋肉は第2の肝臓といわれており、筋肉が増えることで基礎代謝も上がり、脂肪燃焼効果もアップします。

有酸素運動の後にスクワットなどの筋トレを行うことで、コレステロールをスムーズに下げられるので、ぜひ試してみましょう。

筋トレのメリットは、他にも以下のようなものが挙げられます。

● 筋肉を鍛えられる
● 太りにくい体質につながる
● 身体能力が向上する

無酸素運動の代表格である筋トレは、大きな力を速い運動によって発揮するため、速筋を鍛えることが可能です。速筋は年齢を重ねるごとに委縮してしまいますが、筋トレをすれば年齢に関係なく筋力を高められます。

筋肉が増えると、動かなくても体が自然にカロリーを消費する基礎代謝量が増えるのも魅力的。先ほどお伝えしたように、有酸素運動と組み合わせればよりカロリーを消費するうえ、寒さに強くなるともいわれています。

さらに、筋肉が増えることで身体能力の向上も期待できるため、日常生活が今よりももっと楽しくなるかもしれません。

一方、筋トレのデメリットは、いきなり強度を強めた場合に筋肉などを傷めるリスクがあることです。早く成果を出したいからと、初めから大きな負荷をかけると、フォームが崩れて事故が起きやすくなってしまいます。

自分の体に負担のかけない負荷を、呼吸を止めないように行なってみてくださいね。

運動をする上でのポイント

運動をして効率的に効果を出すためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。

まず、有酸素運動にチャレンジするにあたって知っておくべきポイントは以下の通りです。

● 30分以上の運動を最低週3回続ける
● 息がはずみ、軽く汗ばむような強度で続ける

コレステロールを下げるには、1日に30分以上の有酸素運動をするのが良いとされています。1度に30分の運動をするのではなく、10分の運動を3回などこまめに行なっても問題ありません。

また、汗をだらだらとかくような強度の強い有酸素運動をすると、無酸素運動になってしまいます。無酸素運動も健康に効果的な運動ですが、有酸素運動とは得られる効果が異なるので注意しましょう。

一方、筋トレにトライする前に把握するべきポイントは以下の通りです。

● 週3回程度で続ける
● 最大筋力において65%以上の強度で行う

筋トレをすると筋繊維が損傷するため、同じ箇所を鍛える場合は48~72時間の間隔でおこなうことがおすすめでしょう。適度に休みを入れて週3回程度で続ければ、筋が十分に回復して太く強い筋肉へと生まれ変わります。

さらに、筋トレをするときは、頑張っても1回しか出せない力である「最大筋力」の65%以上の強度で行うのがベスト。10~15回を3セット程繰りかえしてみてください。

有酸素運動と筋トレに共通するポイントとしては、自分の体調を把握しながら続けることです。おかしいと感じることがあれば無理せず休むなど、あくまでマイペースに運動を楽しみながら続けてみてください。

まとめ

今回は、コレステロール値を改善したい方へおすすめの運動法や習慣化するためのポイントを解説しました。

コレステロール値が基準値を超えている場合、体へ様々な悪影響が出るので、できるだけ早く対策するべきです。

ウォーキングなどの有酸素運動と筋トレを習慣化することで、スムーズにコレステロールを減らすことができるでしょう。ぜひ今日からチャレンジしてみてください。

この記事の監修者

薬剤師

坂井 幸子

薬剤師。病気の「治療」と「予防」両方大切だと考え、健康と食物の関係を日々研究。
生活の中で体に必要な栄養を補い、正しいコンディションで過ごせるように栄養学の観点から健康と美容をサポートすることを得意としている。

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