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医師・専門家監修

この記事の監修者

薬剤師 坂井 幸子

2024.03.21

中性脂肪は基準値より高すぎても低すぎても要注意!女性特有の原因も解説

「若い頃から食事など変わっていないのに、40代半ば頃から数値が気になってきた」
「食事や運動を意識しているのに、数値が低いまま」
など女性の中には、中性脂肪についてこのような悩みを持つ方が見られます。

中性脂肪とは、脂肪酸やコレステロールなど血液中に溶け込んだ脂肪の一種。
「脂肪」と聞くと、数値が高いことによるリスクの方に意識が向きがちですが、
基準値より低い状態にも注意が必要です。

目次

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中性脂肪の数値はどこからが注意が必要?

中性脂肪の数値の基準として、日本人間ドック学会では、以下のように示しています。

状態中性脂肪(mg/dL)
異常29以下
基準範囲30~149
要注意150~499
異常500以上
参照:日本人間ドック協会「検査表の見方」

上記の表からわかるとおり、中性脂肪の数値は150mg/dLを超えると、基準範囲を超えて要注意となっています。一方、数値が29mg/dL以下になる場合は低すぎると判断されるため、中性脂肪を増やすような生活習慣にする必要があります。

中性脂肪の役割

中性脂肪と聞くと、肥満や太るなどのイメージが強く、あまりよい印象がない方がほとんどかもしれませんが、中性脂肪には以下のような大切な役割があります。

• エネルギー源になる
• 脂溶性ビタミンや必須脂肪酸を摂取するはたらきを助ける
• 皮下脂肪として体温を保つ
• 内臓を守るクッションになる

中性脂肪は体を動かすためのエネルギーになったり、体を守ったりする役割があるため、生命活動を行ううえで必要不可欠です。中性脂肪は減らすべきと考えている方もいますが、実は重要な役割をもっており、基準値を下回ってしまうのも望ましくありません。

中性脂肪の基準値は男女によって違う

先ほど、中性脂肪の基準値について紹介しましたが、実は中性脂肪の基準値には男女で違いがあります。前述の表は男女の分け隔てなく、あくまでも一般的な基準値を示したものであるため、男女別の基準値も見ておきましょう。

日本人間ドック学会と健康保険組合連合会による調査において、中性脂肪の基準値は男女それぞれで以下の数値であると示されています。

• 女性の基準範囲:32~134mg/dL
• 男性の基準範囲:39~198mg/dL

なぜ中性脂肪の基準値が男女によって違うのかというと、男性の方が肥満の人や飲酒習慣のある人が多く、基準値を定める際の調査対象にも、女性に比べて中性脂肪が高い人が多く選定されやすいと考えられます。

中性脂肪が基準値におさまっていない場合はどのような健康リスクがあるのか

中性脂肪が基準値におさまっていない場合には、さまざまな健康リスクがありますが、代表的なものでいえば、生活習慣病の発症、血管が詰まりやすくなることなどがあげられます。
単純に太ってしまうだけでなく、病気にかかりやすくなる可能性もあるため、基準値をはずれている方はできるだけ早めの対策をしていきましょう。

中性脂肪以外にも男女によって数値が違う項目はある?

ここまで、中性脂肪の基準値について解説してきましたが、中性脂肪以外にも男女によって数値が違う項目があります。また、男性のみ基準に年齢差がある項目や、女性のみ基準に年齢差がある項目もあるため、ご自身の性別や年齢に応じた基準値を参照することが大切です。
日本人間ドック学会と健康保険組合連合会が行った調査によると、以下の項目において男女差が認められています。

どのような差があるのか項目
男女で差がある• BMI
• クレアチニン
• 尿酸
• HDL-C
• ALT
• γ-GT
• 空腹時血糖
• 赤血球数
• 血色ソ量
• ヘマトクリット値
女性のみ年齢差がある• 総コレステロール
• LDLコレステロール
• FW LDL-C
• Non HDL-C
男性のみ年齢差がある• アルブミン
• AST
• HbA1c
• アルカリホスファターゼ
参照:日本人間ドック学会および健康保険組合連合会「新たな健診の基本検査の基準範囲」

中性脂肪とコレステロールの違いとは

中性脂肪とコレステロールは、どちらも脂質に分類されることから混同されがちですが、実はそれぞれまったく異なる物質です。主な違いとして、中性脂肪はエネルギー源や皮下脂肪になるのに対し、コレステロールは細胞膜やホルモンの材料となります。
このように、いずれも体にとってなくてはならない物質ですが、どちらも数値が高くなりすぎると健康リスクが発生するため、注意しておくとよいでしょう。

基準値より「高い」!中性脂肪が増える原因と対策

中性脂肪の数値が基準値よりも高いと、健康面で不安に思いますよね。実際、中性脂肪の数値が基準値よりも高い状態が続くと、さまざまな健康リスクが生じるため、中性脂肪が増える原因とその対策を知っておきましょう。

なぜ中性脂肪が高くなってしまうのか

中性脂肪が高くなってしまう原因としては、脂質や糖質の多い食事やお酒の飲みすぎ、運動不足などの生活習慣の悪化が考えられます。
そのほかにもストレスが原因で交感神経が優位になると、抗ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールなどの影響で代謝が悪くなり、結果として中性脂肪やコレステロールが高くなりやすいのです。

中性脂肪が高いことで起こる症状

中性脂肪が高い方に起こりやすい症状として、肥満や血管に関する症状があげられます。肥満は体重が増えたり、体型が変わったりするだけでなく、生活習慣病やその他の疾患のリスクを高めるため、健康を維持するうえでは気をつけなければならない症状です。
また、血管に関する症状とは、血液中の中性脂肪が増えることが要因となって、血管が詰まりやすくなることです。血管の詰まりやすさには、善玉コレステロールと悪玉コレステロールが深く関係しています。

血液中の中性脂肪が増えると、小粒子高密度LDLが増加するのですが、これによって血管の詰まりの原因となる悪玉コレステロール(LDL)の性質をより悪化させるだけでなく、善玉コレステロール(HDL)を減少させてしまいます。その結果、血管が詰まりやすくなるのです。
中性脂肪が高いことで起こる症状には自覚しづらいものがあるため、健康診断の結果を確認し、早めに対策を始めましょう。

更年期の女性に見られる悪玉コレステロール(LDL)が増える理由

コレステロールには、善玉コレステロール(HDL)と悪玉コレステロール(LDL)の2種類があり、女性の場合は更年期にさしかかると、悪玉コレステロールが増えやすくなります。

理由としては、女性ホルモンの一つであるエストロゲンが関係しています。エストロゲンには悪玉コレステロールを抑制するはたらきがあるのですが、女性ホルモンの減少にともない、エストロゲンの分泌量が減ることから、悪玉コレステロールが増えるという仕組みです。
一般的に女性は男性に比べて、コレステロール値が低い傾向にありますが、更年期を迎えると女性であってもコレステロールが高くなりやすいので注意しましょう。

中性脂肪を減らすためにすべきこと

中性脂肪を減らすためには、食事と生活習慣の見直しが大切です。具体的には、以下のような対策があげられます。

• 摂取カロリーを減らす
• 糖質の摂取量を抑える
• 脂質の摂取量を抑える
• お酒を控える
• 適度に運動する
• 十分な睡眠をとる

中性脂肪が増えてしまう原因の多くは、栄養バランスの偏った食事や質の悪い睡眠など生活習慣によるものです。できるところから生活習慣を改善してみてくださいね。

基準値より「低い」!中性脂肪が減る原因と対策

脂肪が増えることによる健康リスクはイメージしやすいですが、実は中性脂肪が極端に少ない状態も望ましくなく、その場合には中性脂肪を増やすような対策が必要になります。
以下では、中性脂肪が減る原因と対策について紹介しますので、中性脂肪の数値が基準値を下回っている方はぜひ試してみてくださいね。

なぜ中性脂肪が低くなってしまうのか

食べすぎや飲みすぎ、運動不足によって中性脂肪が増えるのとは反対に、極端な食事制限や過度な運動は中性脂肪が低くなる原因になります。前提として、中性脂肪が減るのは、食事から摂取するエネルギーが消費エネルギーを下回っている状態であるため、日々の食べるものや量、運動量などを考えたときに、脂質や糖質の摂取が足りていないといえるでしょう。

中性脂肪が低いことで起こる症状

中性脂肪が低い状態ではエネルギー源が少ないことから、疲れやすかったり、疲れが回復しづらくなったりします。また、中性脂肪には体温調節のはたらきがあるため、体温を調節する機能が弱くなり、体温の低下による寒気や、手足の冷えなどが起こることも考えられるでしょう。
なお、そのほかにも以下のような症状が考えられます。

• 免疫力の低下
• 抜け毛
• 肌荒れ

男性より女性の方が中性脂肪の数値が低くなりやすい理由

女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、脂質の代謝に関わるはたらきがあり、ホルモンバランスの違いによって、男性より女性の方が中性脂肪の数値が低くなりやすい傾向があります。また、一般的に男性の方が食事量や飲酒量が女性よりも多いことも、中性脂肪の数値に性差が表れる要因といえるでしょう。

中性脂肪を増やすためにすべきこと

中性脂肪を増やすためにすべきこととしては、下記のような方法があげられます。

• 3食バランスよく食事する
• 消費カロリーと摂取カロリーのバランスを整える

前述のとおり、中性脂肪が低い原因としては、極端な食事制限や過度な運動が考えられるため、食事からしっかりと栄養をとることと、消費カロリーを上回るカロリーを摂取することがポイントとなります。
もし食事の内容や量をすぐに変えるのが難しい場合は、日常生活における運動の負荷を減らすことも検討してみましょう。

まとめ

中性脂肪の基準値は30〜149mg/dLとされており、数値が基準値よりも高い場合だけでなく、低い場合にも注意が必要です。
中性脂肪が高い場合は食べすぎ・飲みすぎと運動不足の改善、中性脂肪が低い場合は1日3食のバランスのよい食事をとることが効果的な対策となるはずです。毎日の習慣を変えていくことはなかなか大変ではありますが、まずは無理のない範囲でできることから取り組んでみてくださいね。

この記事の監修者

薬剤師

坂井 幸子

薬剤師。病気の「治療」と「予防」両方大切だと考え、健康と食物の関係を日々研究。
生活の中で体に必要な栄養を補い、正しいコンディションで過ごせるように栄養学の観点から健康と美容をサポートすることを得意としている。

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