この記事の監修者
医学博士 大塚 亮
2024.10.24
【お医者さんのコラム】ウイルスや細菌に負けない!「粘膜強化」は健康を保つファーストステップ!
10月も半分を過ぎ、秋らしい過ごしやすい気候が続きますね。
ですが11月ももうすぐそこ。
冬に向かっていくにつれ、乾燥や免疫力が気になるという方が多いのではないでしょうか。
これから季節の変わり目や冬の寒さで体調を崩しやすくなるので、ウイルスや細菌に負けない体を目指していきましょう。
体を病原体から守る最前線!「粘膜」の働きとは
私たちのまわりにはウイルスや細菌などが常に存在し、実は頻繁に体内へ入ってきています。
それらを最初にブロックするのが、目・鼻・口・喉などの「粘膜」。
粘膜には粘膜細胞と免疫細胞が存在し、体を病原体から守ってくれています。
消化管粘膜では、免疫細胞が口から入ったものを「食品など安全なもの」と「ウイルスや細菌などの病原体」とに識別し、必要なものは取り込み、不要なものは排除するよう促しています。
免疫細胞の働きが弱まると粘膜はどうなる?
免疫細胞の働きが弱まるとバリア機能が崩れ、病原体が粘膜を突破し、血流やリンパ流を介して体内に侵入してしまいます。
そうなると今度は、体内の免疫細胞が病原体を攻撃しはじめるのです。
人の体は本当によくできていて、体を保つために何重にも手立てが用意されています。免疫細胞は毎日新しい細胞に入れ替わりながら、24時間365日体を守っているのです。
免疫細胞は体の防衛部隊。粘膜は免疫細胞がいちばん最初に敵と戦う最前線エリアです。
パワーのある食事で粘膜を強化することが健康を保つファーストステップになります。
「強い粘膜」とは、細胞がいい粘液をつくり、しっかり分泌できる状態のこと。
このあとご紹介する栄養素やそれを含む食材を参考に、毎日の献立作りにいかしてみてくださいね。
栄養素 | 働き | 主な食材 |
グルタミン | たんぱく質を構成するアミノ酸のひとつ。 免疫に重要な役割を持つリンパ球や腸粘膜細胞の主なエネルギー源となる。 | マグロ、牛乳、卵、チーズなど |
ビタミンA | 粘膜細胞の構造と機能を維持する栄養素。 不足すると、風邪や感染症、胃腸炎や膀胱炎にかかりやすくなる。 | ウナギ、レバー、卵、バター、チーズ、緑黄色野菜など |
セレン | 体内で発生する活性酸素を分解・減少させる抗酸化酵素。不足すると感染症の進行を悪化させ、がん発症のリスクを上昇させる。 | カツオ、カニ、イワシ、納豆、ごま、カシューナッツなど |
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この記事の監修者
医学博士
大塚 亮
おおつか医院院長。医学博士。循環器専門医。
オーソモレキュラー・ニュートリションドクター(OND)認定医。大阪市立大学医学部附属病院循環器内科、ニューヨーク州 Columbia University Irving Medical Center, NewYork–Presbyterian Hospital、西宮渡辺心臓脳・血管センター勤務を経て、おおつか医院院長に就任。日本内科学会・日本循環器学会・日本抗加齢医学会に所属。
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