この記事の監修者
医学博士 大塚 亮
2024.06.23
【お医者さんのコラム】野菜を食べないとどうなる?体へ与える影響とは
皆さんは、普段から野菜を食べていますか。
野菜にはビタミンやミネラル、食物繊維など豊富な栄養素が含まれているので、
ぜひ積極的に取り入れて欲しい食材です。
ですが、皆さんの中には、「匂いや味が苦手」「調理が面倒」などで野菜不足という方もいるかもしれません。
野菜の摂取が不足していると、健康維持に必要な栄養も足りなくなり、健康リスクも高めてしまいます。
今回は野菜不足が招く体への影響をご紹介します。
体への影響①活性酸素による酸化
酸化とは、簡単にいうと体がさびることで、体内で活性酸素が発生することによって起こります。
活性酸素の除去には、ビタミン類やαリポ酸、ポリフェノールなど抗酸化作用が強いものを選んでみましょう。
抗酸化作用のある食材の摂取が不足すると、体はどんどんさびつき、老化が進んでしまいます。
体への影響②糖質過多による糖化
酸化の他にも、老化をすすめる原因には「糖化」もあります。
糖化を簡潔に説明すると体がこげることで、ご飯・小麦粉・砂糖など糖質のとりすぎにより発生します。
糖質過多は食後血糖値を上昇させるだけでなく、体内でたんぱく質と結びつきAGEs(蛋白糖化最終生成物)を生成します。
このAGEsは将来の健康リスクを高めてしまうので、AGEsの生成を防ぐために野菜に含まれる食物繊維や糖化抑制作用のある食材が効果的です。
体への影響③悪玉菌優位による免疫力の低下
腸には、全免疫細胞の約70%が集まっています。
免疫は病原菌やがん細胞から私たちの体を守る仕組みのことで、腸に悪玉菌が増えて腸内環境が悪化すると免疫機能が低下し、疲れやすくなっててしまうのです。
免疫力を高めるためには、水溶性食物繊維を含む野菜や発酵食品を食べて、腸内の善玉菌を増やすことが大切です。
体への影響④ビタミン不足により体の働きが低下
筋肉や臓器、脳神経などを構成するために必要なのは、肉や魚などのたんぱく質。
しかし、たんぱく質のみを摂取していればよいわけではなく、代謝をサポートする酵素やビタミンも必要になります。
その他にも鉄分の働きをサポートするビタミンC、造血や細胞新生に必要な葉酸なども一緒に摂取すると健やかな肉体をつくることができます。
これらの栄養素の補給にも、野菜は欠かせません。
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この記事の監修者
医学博士
大塚 亮
おおつか医院院長。医学博士。循環器専門医。
オーソモレキュラー・ニュートリションドクター(OND)認定医。大阪市立大学医学部附属病院循環器内科、ニューヨーク州 Columbia University Irving Medical Center, NewYork–Presbyterian Hospital、西宮渡辺心臓脳・血管センター勤務を経て、おおつか医院院長に就任。日本内科学会・日本循環器学会・日本抗加齢医学会に所属。
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