この記事の監修者
皮膚科専門医 武田 りわ
2022.09.15
【お医者さんのコラム】あなたは大丈夫?肌トラブルの3大要因は「糖化」「酸化」「腸内環境の乱れ」
吹き出物や肌荒れ、しみ・シワ・たるみなどのエイジングサイン・・・
これらの肌トラブルを引き起こす要因とされているのが、「糖化」「酸化」「腸内環境の乱れ」です。
どの要因も、無意識に続けている食事や生活習慣から生み出されてしまうもの。美肌を目指す人は、それぞれの対策をチェックしてみましょう!
糖化
糖化が起こるメカニズム
体内で余った糖質がたんぱく質と結合して加熱されると「糖化」という反応が起きます。それによりたんぱく質が劣化してしまい、「最終糖化産物(AGEs)」が発生。さらにこのAGEsが体内のあらゆる場所に付着して、体内でいろいろな悪さを働きます。
■肌への影響例
・ハリや弾力を失わせ、たるみやすくなったり、シミやシワを出来やすくする
・肌の透明感も失わせ、くすみの原因に
糖化を防ぐには
糖化は糖質のとりすぎで起こるので、まずは糖質を控えましょう。また糖質の分解にはたくさんのビタミンB群が必要になります。糖質過多な食事が続くと、たんぱく質から細胞などをつくるためのビタミンB群が足りなくなるという事態が起こるので要注意です。
砂糖の入った清涼飲料水、お菓子や市販のたれ・ドレッシングはなるべく避けましょう。また、1食に占める主食の割合は4分の1程度を目安に、血糖値の上がりにくい玄米や全粒粉パンなどを選ぶのがポイントです。
酸化
酸化が起こるメカニズム
酸化は、紫外線や強いストレス、食生活の乱れなどの影響で体内で発生した活性酸素によって引き起こされます。活性酸素は、様々な健康リスクや、老化促進の原因といわれています。
■肌への影響例
・細胞膜の脂質やDNA、たんぱく質、酵素などにダメージをあたえる作用を起こす
・肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンを破壊し、肌を硬く、もろくする
酸化を防ぐには
体内で活性した活性酸素を減らすことはできますが、完全にゼロにするのは難しいといわれます。活性酸素を壊せるビタミン類を積極的にとり、少しでも減らすようにしていくことが現実的です。
腸内環境の乱れ
腸内環境の乱れで肌トラブルが起こるメカニズム
腸内環境のベストバランスは、【善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7】とされています。しかしこのバランスが乱れると悪玉菌が増殖、悪玉菌は有害物質を発生させるだけでなく、免疫細胞も減少させ、自律神経も乱し、肌トラブルを助長してしまうのです。
美肌に必要な栄養素は口から入り、必ず腸を通ります。腸内環境が悪ければ、栄養素の消化吸収が進まず、免疫機能も乱れてしまいます。このように腸内環境と美肌は密接に関係しているのです。
■肌への影響例
・吹き出物の原因となるアクネ菌が増殖する
腸内環境の乱れを防ぐには
毎食、植物性の発酵食品や善玉菌のエサになる食物繊維をとるようにし、腸内環境を善玉菌優位な状態に保つようにしましょう。
関連書籍
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この記事の監修者
皮膚科専門医
武田 りわ
タケダビューティークリニック(皮膚科・美容皮膚科)院長。皮膚科専門医。
オーソモレキュラー・ニュートリションドクター(OND)認定医。
「美肌は人を幸せにする」を理念に、西洋医学を基礎とする美容医療に栄養医学を取り入れ、体の外側と内側からのケアを提案している。
肌の老化を治すだけではなく、老けにくい健康な肌作りが得意。日本皮膚科学会・日本臨床皮膚科医会・日本美容皮膚科学会・日本抗加齢医学会に所属。
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