この記事の監修者
医学博士 大塚 亮
2022.10.09
【お医者さんのコラム】あなたの腸内環境は良好?「腸活」で免疫細胞を活性化!
免疫細胞は体の中のどこにあるの?
私たちの体をウイルスや病原体から守ってくれる免疫細胞は、血液やリンパの流れに乗って全身をパトロールしています。そんな免疫細胞の70%は、どこにあるかご存知でしょうか。答えは「腸」です。
腸はどんな働きをしているの?
腸は、口や食道などと繋がる消化管粘膜の一部。この消化管粘膜は、とても重要な働きをしています。なかでも腸粘膜は、「腸絨毛(ちょうじゅうもう)」という細かいひだ状になっており、食べたものを分解し、体に必要なものと不要なものとをフィルターでふるい分け、栄養など必要なものだけを吸収しています。
免疫細胞の働きが低下するとどうなるの?
腸は体の維持にとって重要なエリアですが、免疫細胞の働きが低下すると、体に必要なものと不要なものをふるい分けるフィルターの機能も低下し、病原体の侵入も許してしまいます。そのため、免疫細胞を活性化させるには、腸内環境を整える「腸活」が重要になってくるのです。
食事で改善!積極的にとりたい腸内環境を整える栄養とは
腸には、1000種100兆個以上の細菌が生息し、菌種ごとに隙間なく集まっています。その様子がお花畑(flora)のように見えることから、「腸内フローラ」と呼ばれています。実はこの腸内フローラが消化できない食べ物を栄養物質につくり変え、免疫細胞を活性化させて腸のバリア機能を向上させるなど、体に良い働きをしているのです。
当てはまる数が多いと要注意!腸内環境チェック
今のあなたの腸内環境をチェックしてみましょう。いくつ当てはまるでしょうか。
□下痢や便秘を繰り返す
□おならが臭い
□肌が荒れている
□外食が多い
□運動不足
□おなかが張りやすい
□ゲップがよく出る
□食事の時間が不規則
□野菜不足が続いている
□ストレスが多い
目指せ「善玉菌優位」な体!善玉菌を増やすならこの食材をチェック
腸内細菌は、お腹の調子を整える「善玉菌」と、腸内で有害物質をつくり出す「悪玉菌」、善玉・悪玉の優勢な方に同調する「日和見菌」の3種に分けられ、「善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7」の割合が理想的とされています。このバランスが崩れると、健康リスクを引き起こしやすくなるので、腸内環境を整えるものを積極的に食べましょう。
【発酵食品】
発酵食品には善玉菌が存在し、食べることで腸内に善玉菌を増やす。
日本人にはみそや納豆など日本古来のものが体質に合う。
(例)みそ、塩こうじ、納豆、キムチ、チーズ、ヨーグルトなど
【ビタミンA】
腸内の免疫細胞がつくるlgA抗体(免疫グロブリン)は、侵入してきた病原体の効力をなくす免疫物質。ビタミンAはこの物質の生産に必要。
(例)うなぎ、レバー、卵、バター、チーズ、緑黄色野菜など
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この記事の監修者
医学博士
大塚 亮
おおつか医院院長。医学博士。循環器専門医。
オーソモレキュラー・ニュートリションドクター(OND)認定医。大阪市立大学医学部附属病院循環器内科、ニューヨーク州 Columbia University Irving Medical Center, NewYork–Presbyterian Hospital、西宮渡辺心臓脳・血管センター勤務を経て、おおつか医院院長に就任。日本内科学会・日本循環器学会・日本抗加齢医学会に所属。
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